そもそも液晶テレビってどうやって動いてるの?その仕組みをじっくり解説!

液晶テレビ

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液晶テレビを選ぶとき、ふと「そういえばどうやって液晶テレビは動いているのかな」という疑問が浮かぶかもしれません。

当たり前のようにお店で販売されていますし家庭にもあるものですが、果たして何がどうなって映像を出力しているのか今一分からないものです。

そこで今回は液晶テレビの中身から機能についてみていきましょう。

仕組みが分かれば自ずと選ぶべきものも見えてくるかもしれません。

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特殊な性質をもつ液晶

世界に存在するあらゆる物質は「液体・固体・気体」のいずれかである、ということを中学の理科などで学んだことがあるかもしれません。

ですが正確にはそれは間違いで、液体と個体の間には「液晶」という状態があるのです。

より正しく表現するなら「液晶状態になる物質が存在する」となるでしょう。

液晶とは個体のように分子が一定の方向に配列し、かつ液体のように非結晶な物質です。

液体のようによく動くのにも関わらず、大まかに規則正しい配列をしている形となります。

自然界で見られることは稀で、主に人工物として作り上げられた化合物が備えている特性です。

この液晶を利用しているものを液晶テレビとか液晶モニタとかいうわけですが、これらはより正確に表現するなら「液晶ディスプレイを採用したテレビやモニタ」といった方が正しいかもしれません。

液晶はディスプレイ部分に使われており、内部の回路に使われるようなものではありません。

正に私達が見ている画面そのもの全体に塗布されているといっても良いでしょう。

液晶ディスプレイの構造

液晶ディスプレイの構造を簡単に確認しておきましょう。

まずはバックライトがあり、これが唯一の光源となります。

次にバックライトの光の波長を調節する偏光フィルターがあり、カラーフィルターで光に色が付き、液晶の層を通り光の量が調節され、最後にもう1つの偏光フィルターで最終的に通る光と遮る光に分けられて私達の目に映像が届くわけです。

少し複雑そうな構造ですが、つまるところ光の調節をするのが液晶の役割となります。

といっても私達はその液晶が調節した光を直接見ることはできないという点には注意しておきましょう。

最終的に偏光フィルターによってフィルタリングされた光を見ることができるのです。

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画素がたくさん集まった画面

少し古めの液晶テレビなどに顔を近づけると分かるのですが、よく見ると赤・青・緑の3つの色の点が見えるはずです。

これは光の3原色というもので、組み合わせによってありとあらゆる色を作ることができます。

例えば赤と青を発光させれば紫になりますし、赤と緑ならオレンジ色を表現することもできるのです。

液晶はこのように、非常に小さな点をそれぞれ発光させたり消灯することで豊かな色彩を表現しています。

そしてこの小さな点の1つ1つを「画素」といいます。

よくカメラやテレビ、スマートフォンなどの宣伝をするときに「○万画素搭載」という宣伝文句が掲げられますが、それはこの点のことをいっているわけです。

なおこの画素はピクセルやドットなどという言い方をすることもあります。

また、液晶ディスプレイの構造のところでも述べましたが、色はカラーフィルターによってつけられているものです。

液晶それ自体に色が付いているわけではなく、液晶はあくまでも光の量を調整するだけの役割しか担っていません。

2Kや4Kは画素の数のこと

液晶テレビを選ぶときにハイビジョンとかHDとか2Kやら4Kといった単語を目にすることがありますが、これは画素数のことを示しています。

2Kは縦に1920の画素、横に1080の画素がある形で、Kというのは単位のキロを意味し2Kは数字で2000とを意味する形です。

いわば縦の画素数である1920を2Kと表現しているわけですが、2000ぴったりではないので正確には「近似2K」と呼ぶ方が正しいでしょう。

なお2Kには縦2560、横1440のものもあったりするため少し混乱するかもしれません。

4Kテレビは縦3840、横2160で、こちらも近似4Kといった形です。

さらに最新の液晶ディスプレイである8Kは縦7680、横4320と膨大な画素数を誇っています。

今後技術革新が進めばより画素数の高い液晶テレビが登場することになるでしょう。

ただここで「画素数が多いと何で画質が良いのかな」という疑問が浮かぶかもしれません。

そんなときは何かを限られたマス目で点描する場合を考えてみると良いでしょう。

液晶テレビは画素という点の集まりなので、点描画のようなものなのです。

例えば自分の顔を1×1のマスで描画すると単に1つの塗りつぶされた点になるでしょう。

では10×10マスならどうかというと、昔のゲームのドット絵のような形になるはずです。

100×100なら荒いものの顔らしいものに見えて来るかもしれませんし、1000×1000なら十分に写実的に描けるでしょう。

このように、画素数は多ければ多いほどより小さい単位で映像を表現することができるのです。

液晶を明滅させる「薄膜トランジスタ」

液晶テレビの構造については分かりましたが、それを実現する仕組みについてもチェックしておきましょう。

ディスプレイには大量の画素が含まれていますが、これは含まれているだけでは機能しません。

液晶の機能を働かせるためには電気を通さなければならないのです。

そしてこの電気を通すために広く利用されているのが「薄膜トランジスタ」という非常に薄いトランジスタの膜となります。

トランジスタというのは半導体の技術革新にとって無くてはならないパーツで、電流によるスイッチングを実現することができる形です。

つまり超微小な電気のスイッチが無数に液晶ディスプレイ上に存在している形になります。

この薄膜トランジスタはこれまでアモルファスシリコンという物質で作られていましたが、電気を伝える速度が十分でないため画面のブレなどを発生させる原因ともなっていました。

ですが現在ではポリシリコンというより均一で安定した形態のものが使われるようになったため、より電気を伝えやすくなりより綺麗な映像表現を可能にしています。

といってもアモルファスシリコンからポリシリコンに入れ替わるというわけでもなく、アモルファスシリコンの改良も続けられている状況です。

ちなみにポリシリコンはアモルファスシリコンを熱することで作られるものだったりします。

レーザー加工をすることによって出来上がるポリシリコンがより性能の高いものになるというのは面白い点です。

別名「TFT液晶」の種類

こうした薄膜トランジスタを利用した液晶ディスプレイのことは「TFT液晶」と呼ばれます。

正式にはThin Film Transistor Liquid Crystal Displayと書くのですが、先頭から日本語にしていけば「薄いフィルムのトランジスターによる液晶ディスプレイ」となることが分かるでしょう。

そしてTFT液晶には駆動方式によって「TN型」「VA型」「IPS型」に分けることができます。

大まかに考えると、一般的で使いやすいものがTN型で、静止画が綺麗なのがIPS型、中間の性能のものがVA型、ということができるでしょう。

また各駆動方式はさらに細分化することができ、色々と改良が加えられている状況です。

なお一般的に普及しているTN型でも十分に綺麗だったりするので、単純に駆動方式で綺麗さを判断することはできないかもしれません。

やはり液晶テレビの性能についてはできるだけ実際に自分の目で確かめることをおすすめします。

正体が分かると興味もわくもの

液晶テレビの中身が分かるようになってくると次第に興味が出てくるものです。

それまでブラックボックスのようなものであった中身の構造から見ていけば、より身近な道具としてみることができるようになれます。

画面で見ている色は実はカラーフィルターを通したものであることや、画素が1つ1つ繊細に明滅していることを意識してみましょう。

テレビは精密機械

これまで述べてきたことを振り返ると、テレビは非常に精密な機械ということができます。

各種薄いフィルターが正確に貼り付けられており、画面上には1つ1つ無数の画素がそれぞれ機能し、映像を映しだすために無数のトランジスタが働いています。

毎日使う道具の中でも極めて精密な機械ということができるでしょう。

まとめ

液晶テレビの中身についてみてきました。

中身からみた液晶テレビは、液晶自体の特殊な性質と、それを生かすために薄膜トランジスタというものが使われている非常に繊細で緻密な機械でした。

液晶を動かすための駆動方式にも様々なものがあり、各社が技術向上に向けて研鑽しています。

こうした仕組みを知れば液晶テレビのスペックを楽しみながら比較できるようになるはずです。

これまで良く分からなかった性能差を吟味しながら欲しい液晶テレビを見つけていきましょう。






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