デジ絵できれいな線を引けなくて困っている方へ

2016年11月15日デジ絵全般

デジ絵の教科書 (100%ムックシリーズ)

デジ絵を始めてペンタブを使い始めてみて困ったことに、思うようにきれいな線が引けないという方が多いと聞きます。

慣れれば大丈夫、といえばそれまでかもしれませんが、それまでにかなりのストレスになるのは事実です。

そこでここではペンタブでデジ絵の線をきれいに引けるようになるための練習法を紹介しようと思います。

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まずは紙を敷く

練習の前にちょっとした工夫でペンタブがグッと使いやすくなる裏技をお教えしましょう。

そもそもなぜペンタブはこうも使いにくいのでしょう?

それは表面がつるつるしていて、ペン先が滑るからです。

そのため紙と同じような感覚で描けず混乱してしまうのです。

ですのでペンタブの表面を紙と同じにしてしまえば良いわけです。

具体的にいうとペンタブの表面を紙で覆ってしまいます。

これでもちゃんとペン先を感知するので操作に問題はありません。

これを行うだけでぐっと紙で描いている時と近い感覚になり、ずっと描きやすくなるはずです。

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ペンの持ち方を変える

これはデジ絵に限った話ではありませんが、あなたはペンタブのペンをどのように持っていますか?

鉛筆で字を書くような持ち方をしてはいませんか?

実は絵を描くときはそのような持ち方はNGなのです。

もっと上の方を持ち、ペンのストロークを長くしなくてはいけません。

そうしないと長い線を一気に描くことは不可能です。

慣れないうちは思うように操れないので困惑すると思いますが、絶対に覚えるべき持ち方なのです。

文字を書くような持ち方は細かい箇所を書くときに使います。

このふたつの持ち方を使いこなしてこそ自在に線を引くことができるようになるのです。

縦横の長い線を引いてみる

この練習方法は有名なのでご存じの方も多いでしょう。

先ほど紹介したペンの真ん中あたりで持った態勢で、画面いっぱいを使って縦横に長い線を一気に描きましょう。

簡単なようで非常に難しいのがこの練習法の特徴です。

時々勘違いされる方がおられるのですが、この練習法は決して”絵が上手くなる”ための練習法ではありません。

これをいくらしたところで絵は上手くなりません。

あくまでもきれいな線をひくためだけの練習法です。

もしくは絵を描く前のウオーミングアップとして行われます。

なぜわざわざこのことを指摘したかというと目的意識をはっきりさせるためです。

間違った目的意識は練習の効果の妨げになってしまいます。

ですのでひたすらきれいな線をひくことを目的に集中して練習に取り組んでください。

図形を描く

これもまた有名な練習法でしょう。

画面いっぱいに丸や三角、四角といった図形をひたすらたくさん描いていくという練習法です。

これは先ほどの線を引く練習と違い、絵の上手さと密接にかかわってくる能力を要求されます。

まず正確な図形をイメージする力は描きたい絵をイメージする力に関わってきますし、そのイメージにそって描けるようになるという点はまさに絵を描く能力そのものです。

また丸、三角、四角という図形は基本的なものだけに応用が利きやすいですし、描いてみると案外と難しかったりします。

すべてが同じ曲線で構成されているので安定したペンさばきが必要。

図形の中でもっとも難しいといえる。

これをキレイに描けたらかなりの上級者。

三角

もっとも単純な図形。

それでも初心者にはなかなか上手く描けないもの。

まずは安定して正三角形が書けるように目指そう。

四角

簡単なようで少しの油断で形が崩れやすいのが特徴。

アタリをとるときに多用されるので自在にかけるようになると非常に重宝する。

このようにきれいな線を引けるようになるだけでなく、絵を描く場面で応用が利きやすいので非常に役立つ練習法といえます。

トレスをする

学ぶはまねぶ、つまりまねることこそ学びにつながります。

好きなイラストをイラストソフトに取り込み、透明度を下げ、その上のレイヤーで線をなぞりましょう。

著作権が心配な方がいるかもしれませんがこのような私的な利用に関しては問題なしなので心配無用です。

ただ線をなぞるだけかとお思いでしょうが、これが意外と難しいのです。

油断するとすぐに線がずれてしまいますし、完成しても印象が全然違ったものになってしまうでしょう。

ただキレイな線を引くだけは物足りなく感じる練習法です。

トレスのコツは線を引くときその線の意味を考えながら引くことと、それがなにを表現しているかを考えることです。

それらが理解できるようになると自分の絵を描くときに応用ができるようになります。

落書きをしてみる

習うよりも慣れろという言葉があるように、もっとペンタブに慣れるためどんどん使ってみる必要があります。

そのために意識してデジ絵でどんどん落書きをするのです。

思うように描けなくても気にしないで、紙の落書きと違って一瞬で消去できて跡も残らないのですから思い切り好き勝手描いてやりましょう。

ペンタブをやめてみる

せっかくデジ絵を始めたのだからペンタブを始めてみた。

しかしいくらやってもアナログ時代みたいな線が引けない!

これだったら昔の方がマシだった!

という方もおられるかもしれません。

やっぱりアナログの線にはデジタルの線には出せない味わいがあるというのも事実でしょう。

しかしデジ絵が便利であるというのも事実です。

ではアナログの美味しいところだけいただいて面倒な部分だけをデジ絵でやるというのはいかがでしょうか。

まずイラストなり原稿なりをペン入れまで行いスキャナーでイラストソフトに取り込みます。

その取り込んだデータを加工し、彩色すればアナログの味わいをもったデジ絵の完成です。

どうしてもペンタブに慣れることができなければ別のアプローチの試みをするのも充分にアリでしょう。

ひとつのやり方に固執する必要はまったくありません。

現代では最初からデジ絵でアナログの道具は見たこともないという若者も多いそうです。

スゴイ時代ですね。

ベクター線をいじる

これはクリスタの場合の呼称ですが、データとして位置を操作することが可能な線をベクター線といいます。

位置だけでなく太さや形、色なども自在に変化させられます。

アナログではありえないスゴイ便利な機能です。

これがあれば線の位置が多少変でも修正が可能で、また切り張り、コピーなどのデジ絵ならではの技で絵の見栄えをずっと良くすることが可能です。

ベクター線などのソフト操作の習熟が必要ですが、少々線が下手でもずっとキレイなものに見せることが可能です。

現に私の友人のマンガ家さんはそうやってキレイな線のマンガを描き上げています。

デジ絵のスゴイところはひとによってさまざまなアプローチで絵を描くことが可能というところです。

メイキングなどを読んでもわかるように同じソフトを使用しているのに使う機能はまるでバラバラで手順もそのイラストレーターさんによってまったく違ってきます。

ここで紹介したキレイな線を引くための方法も昔ながらの方法からソフトの機能を利用したものまでとバラバラです。

ちなみに私がおすすめするデジ絵のソフトはクリスタですが、今はどれも優秀なものばかりですので好みで選んでいただいて構わないでしょう。

このような多様性こそデジ絵の面白みかもしれません。

まとめ

こうしてデジ絵での線の引き方の練習法を見てきました。

昔からの方法から現代的な方法まで紹介しましたがそのどれかがあなたに合うものがあると幸いです。

しかし注意して欲しいのは練習法は練習法であって、それを目的にしてはいけないということです。

失敗を恐れずどんどん作品に挑戦することを目指しましょう。

練習は息抜き程度に考えてください。

それでは良い創作を!






2016年11月15日デジ絵全般