声優を目指すにはどのような方法があるのか? 専門学校で学ぶ3つのメリット
アニメや海外ドラマの吹き替えでは、キャラクターや登場人物の声を担当する声優が重要な役割を果たしています。
憧れの職業の1つに数えられる声優を目指すのは俳優を目指すのと変わりないくらい難易度が高いため、専門学校や養成所に通いながら声優の技術を学ぶのが一般的です。
中でも声優コースのある専門学校にスポットを当て、声優養成所・スクールとの違いを授業と学内オーディション・学歴という3つの観点から解説します。
声優デビューにはプロダクション所属が必須
一般の俳優やタレントなどと違って声優は基本的に声だけで演じる職業ですが、声にも人によってそれぞれ個性があるものです。
その人にしか出せない独特の声で豊かな演技ができる声優は、アニメでも吹き替えドラマでも重宝されて多くの視聴者に親しまれています。
声優は基本的に顔を出さないで仕事をする役柄とは言え、テレビや映画など映像に関わる芸能界と密接なつながりを持つ職業の1つです。
声優としてデビューするには俳優やタレントなどと同様に、そうした業界とつながるのあるプロダクションへの所属が欠かせません。
国内には数多くの声優プロダクションが存在しますが、どの事務所に所属するにしてもオーディションに合格する必要があります。
声優を目指す方法
大学生や社会人でも声優プロダクションの主催するオーディションに合格すれば、年齢に関わらず声優になることは可能です。
とは言えまったくの素人が独学でオーディションに合格するのは至難の業で、声の出し方からしっかりと基本ができていなければ合格できません。
声優を目指すための勉強ができる学校としては、専門学校の声優コースや声優スクールに加え、声優プロダクションが設けている養成所が挙げられます。
通学のしやすさや学費の面では、声優スクールや声優養成所の方が専門学校よりも何かと有利です。
これに対して専門学校の声優コースにはカリキュラムがしっかりしているという点に加え、以下で紹介するようなオーディションと学歴の点でメリットがあります。
基礎からしっかり学べる専門学校
専門学校とスクール・養成所という3つの選択肢が考えられる中で、声優を目指すための基礎知識や技術を最も本格的に学べるのは専門学校です。
専門学校の声優コースは大半が全日制で2年制を採用しているところが多く、声優の仕事に関わる知識全般についてじっくりと時間をかけながら学んでいくカリキュラムが組まれています。
2年制の声優コースを例に挙げると、1年次では声優を目指す上で欠かせない発声や演技などの基礎を勉強するのが一般的です。
2年次になるとアニメコースやヴォーカルコース・ナレーターコースなど、自分にあった専攻科目を選択しながら各分野ごとの専門的な知識や技術を身につけていくことになります。
声優養成所や声優スクールは夜間や休日コースが主体で授業日数が全般に少なめですが、授業時間が多い専門学校は学校行事や卒業公演などにも時間をかけている点が特徴です。
声優コースのカリキュラム
専門学校の声優コースで組まれているカリキュラムは学校ごとに違いもありますが、基礎的な授業内容はどの学校でもある程度共通しています。
たいていの専門学校では発声や朗読など、声の出し方に関する授業はカリキュラムに組み込まれているのです。
声優の仕事には国語力だけでなく体力も求められるため、多くの専門学校で筋トレやストレッチなど体育の授業も行っています。
声優も俳優と同様に演技力が重要になってくる仕事だけに、演技や感情表現に関する授業は必須です。
アフレコ技術を使った収録の実習や、ボイストレーニング・ヴォーカルを授業に取り入れている専門学校も増えています。
ダンスや日本舞踊・ナレーションに関する授業を行っている専門学校も多く、中には殺陣や紙芝居などユニークな科目を選択可能な学校も見られるほどです。
複数プロダクションのオーディションが受けられる専門学校
業界との深いコネクションを持つ専門学校では学内オーディションの開催が活発で、在学中も声優デビューのチャンスがあります。
そうした学内オーディションは声優プロダクションごとに行われるのが一般的なため、チャンスは一度きりではありません。
オーディションを行う声優プロダクションにはそれぞれに特色があって得意分野が異なりますので、選択の幅が広ければ広いほどデビューにも有利になってきます。
自分に合ったプロダクションのオーディションを選ぶことで合格の確率も高まり、在学中に声優デビューが実現する可能性が出てくるのです。
アニメ業界やテレビ業界とのパイプの太さは専門学校によって差がありますので、学校を選ぶ際にはこの点も検討材料に含めるようにするといいでしょう。
専門学校と声優養成所との違い
オーディションに合格することで在学中にデビューの可能性があるという点では、声優プロダクションの養成所でも同様です。
とは言え声優養成所はプロダクションが独自に設けている養成機関という性格上、オーディションにも制約が出てきます。
声優養成所に通う生徒は、実質的にその養成所を運営しているプロダクション開催のオーディションにしか合格のチャンスがないのです。
仮に他のプロダクションが開催するオーディションを受けたところで、プロダクション同士がライバル関係にあるのでは合格の可能性が低いと言わざるを得ません。
声優養成所に通う場合は在学中に受けられるオーディションも事実上1つのプロダクションに限定される上に、進級審査の結果次第では途中で退所しなければならないケースも出てきます。
そうした制約がない専門学校の声優コースは、声優の基礎をしっかり勉強しながらオーディションの機会も多く得たいという人におすすめです。
専門学校は学歴がつく点もメリット
声優養成所や不認可の声優スクールは夜間コースや休日コースが設けられているところが多く、全日制の専門学校よりも通いやすい点は声優を目指す社会人や学生にとって有利な材料です。
とは言えそれらの養成所やスクールは認可された学校法人ではないため、卒業しても学歴がつきません。
学校教育法の基準を満たしていると判断され、都道府県知事から認可を受けた学校法人だけが専門学校を名乗る資格を持ちます。
声優コースのある専門学校も認可を受けている以上は正規の学校に変わりないため、卒業すれば学歴がつくという点は1つのメリットです。
大学に進学せず声優を目指す人の場合、専門学校卒の学歴を持っていれば他の職業に転じた場合でも何かと有利になってきます。
専門学校とスクールの違い
声優を目指すための学校には認可を受けた専門学校だけでなく、不認可の声優スクールも全国に多く存在します。
そうした声優スクールの多くは夜間や休日を利用して受講するスタイルを採用しているため、大学に通いながらでも声優の勉強をすることは可能です。
社会人が働きながら声優を目指す場合にも声優スクールの夜間・休日コースは便利ですが、授業日数は専門学校と比べてどうしても少なくなってしまいます。
全日制が大半を占める専門学校の声優コースは学費も声優スクールより全般に高額とは言え、学生寮に入れる専門学校も少なくありません。
そうした専門学校を選べば生活費を節約できるため、学費が多くかかる点に不安を抱いている人でも入学しやすいものです。
最近では夜間課程や通信制が選択可能な専門学校も増えてきており、働きながら声優を目指す場合の選択肢が広がりつつあります。
まとめ
声優を目指すには以上のような複数の方法が考えられますが、専門学校は授業がしっかりしていて学歴がつく上に、オーディションが多く受けられる点でも有利です。
業界とのつながりに関しては専門学校ごとに差も見られますので、有名声優を多く輩出してきた実績などの情報もよく吟味する必要があります。
専門学校に通えば必ず声優になれるというわけではありませんが、声優に求められる技術を基礎からしっかり学んでいけば、オーディションにも合格しやすくなるものです。