液タブと一緒に購入するかたへ…押さえておきたいパソコンの知識
液タブを購入するかたのなかには、「新社会人で自分専用のパソコンをもっていない」「オフィスソフトやネットサーフィン専用のノートPCしかない」などと言ったかたも多数います。
パソコンパーツの知識に自信がなく・これから本格的にデジタル作画をしたい人に向けて、低予算で専用マシンを用意するためのヒントを提供します。
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BTOパソコンか自作PCか
デスクトップPCでデジタル作画の環境を構築するのであれば、自分でパソコンを作るか・ドスパラやパソコン工房などでオーダーをするか、いずれかを検討しなければなりません。
どちらにしても、パーツの知識・液タブを使うために必要な最低スペックの理解がないと、その後の作画環境に大きく影響します。
パーツ解説の前に、自作・BTOそれぞれのメリットを述べていきます。
自作PCのメリット
自分でパソコンを作ると言われると「難しいのではないか」と想像しがちですが、初心者向けのパソコン作成ガイドも充実しています。
パソコンを構成するパーツのほとんどは海外製ですが、日本語マニュアル・サポートも充実。
また、ソフマップ・ドスパラなどのPCパーツ取り扱いショップでも、知識のあるスタッフが丁寧に解説してくれるため、「機械は苦手」というかたでも簡単に作ることができます。
ここからが、いよいよ自作PCのメリットの解説です。
最初に挙げられるメリットは、何と言ってもコスト。
重要でないパーツは中古で購入するなど、初期投資を抑えるための手段は様々あります。
また、一度完成したパソコンでも、パーツ性能に不満が出てきた・新作パーツを試してみたいというときは、メルカリやヤフーオークションなどで高値で買い取ってもらい・その費用を新作パーツに充てることで、お得にマシンスペックを上げていくこともできます。
前述したようにパーツの更新を続ければ、一度作ったパソコンを半永久的に使うことも可能。
2つめのメリットとして挙げられるのは、、パソコンが完成してOSをインストールした段階で、無駄なソフトウェアが入っていないことです。
既製品の場合は、勝手に起動するプリインストールアプリのせいで動作が重くなることがあり、フリーズやブルーバックエラーが大敵となるデジタル作画にとって、致命的となることも。
必要なソフトウェアだけを導入できるのは、大きなメリットです。
最後に挙げられるメリットは、自作することによりハード・ソフト面の基本的なパソコンの知識が身につくことでしょう。
万一のトラブルの際に自力で対処できる確率がグンと上がり、商業作品の制作を予定しているかたも安心です。
まとめると、長期的に費用を抑えたいかた・パソコンのトラブルをなるべく回避したいかたには、パソコンの自作がおすすめできます。
BTOパソコンのメリット
パーツを自分で選択して購入するBTOパソコンなら、組み立てる手間は不要です。
「どうしても機械が苦手・何かあったときに専門家のサポートが欲しい」というかたでも、サポート費用を別途支払うことで、とっさのトラブルの際にバックアップを受けることもできます。
また、国内のBTOメーカーのほぼ全てが動作確認を行ってから出荷するため、初期不良品がほとんど存在しないのも魅力的。
予算に余裕はあるが節約したい・面倒なメンテナンスやトラブルはお任せしたいというかたには、BTOメーカーでの注文をおすすめできます。
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液晶モニタの選び方
ここからは、液タブで作画をする上で重要となる、外部接続機器・各種パーツの解説に入ります。
意外と重要になるのが、液晶モニタ。
最近はカラー再現度の高い4Kモニタも流行の兆しを見せていますが、値段が落ち着く様子がありません。
そこでおすすめしたいのが、フルHDモニタです。
フルHDをおすすめする理由
液晶ペンタブレットのパネルはいずれも高性能で、現行モデルはフルHDで統一されています。
理由としては、これよりも解像度を落とした場合、描き心地に違和感が出る・線の荒さが気になる…ということが挙げられます。
それを考慮した上でパソコンに接続する液晶モニタを選ぶ場合、使用する液タブと同じカラー表現・線の調子を確認できる、フルHDモデルがベスト。
なかでも、Iiyama・EIZOから出ているクリエイター向けの液晶モニタは、コントラストや色調などを細かく設定できるため、液タブのパネルの性質とぴったり合わせてカスタマイズすることができるため、こだわり派の人にはおすすめできます。
予算を抑えたい場合は、LGやASUSなどでも問題ありません。
液タブを使用する場合は、液晶モニタの性能も考慮しましょう。
CPUとメモリ容量の重要性
パソコンパーツとして重要なのが、処理能力を司るCPUとメモリ。
現行のペイントソフトの大半は、インテルのCore i5以上を推奨環境としています。
CPU性能が描画環境に影響するのは、ペイントソフトごとのブラシ設定。
複雑な処理をするブラシ・オリジナルブラシなどを使用する際に、CPU性能が低すぎると遅延が起きやすくなります。
CPUよりも一層重視すべきなのは、メモリ。
こちらも現行のペイントソフトでは8GB以上を推奨していますが、16GBを搭載することをおすすめします。
メモリは「机」とも表現されており、メモリ容量は同時処理できるアプリケーションの数と比例します。
ペイントソフトであれば、レイヤー機能と深い関わりがあり、メモリ容量が少なすぎるとレイヤー枚数が制限されることも。
ネットで資料を開きながら作画するかたは、ブラウザとペイントソフトを同時起動させるため、やはりメモリ容量が多いことに越したことはありません。
メモリはできるだけ大容量を確保しましょう。
グラフィックボードは必要か
デジタル作画にグラフィックボードは必要なのか?
という論議が盛んにされていますが、液タブを使うならば念のため搭載したいものとなります。
パソコンから液タブに出力する際、液晶モニタの画面をそのまま出力する・もしくはモニタの領域を拡張する(デュアルモニタ設定)のいずれかを行います。
このとき、グラフィック機能にかかる負荷は単純に2倍となるため、マザーボードの性能によっては動作が遅くなることも。
お値段・消費電力・作画の上で最もバランスのいいグラフィックボードを考察します。
GTX960がおすすめ
結論から述べると、GTX960がおすすめです。
現行最上位のモデルは1000番台で、消費電力は900番台よりも下がりますが、イラストレーションをする上ではオーバースペック。
お値段も35,000円以上するので、PCゲームをしない人にとっては無用の長物です。
そこで、お買い得となっている900番台が狙い目となりますが、その中でもミドルクラスとされるGTX960が、もっとも消費電力と性能のバランスに優れているとされています。
中古市場にも多く流れており、入手しやすいのもメリット。
グラフィックボードがなくてもデジタル作画は可能ですが、パソコンとしての性能もある程度欲しい・お絵かきの際の快適さをとことん希求したいというかたには、購入をおすすめします。
まとめ
液タブで快適に作画できる条件として、液晶モニタの性能が液タブと同等であること・最低限のCPU性能を確保出来ていること・出来るだけ多くのメモリ容量を備えていることが挙げられます。
BTOメーカーの直営店・PCパーツショップの人とも念入りに相談をして、節約してもいいコスト・かけるべきコストを振り分けることが出来ればベストです。