液タブを使った漫画制作のメリット もう〆切は怖くない?
世の中のいろいろなものがデジタル化する現代、漫画業界でもデジタル化が進んでいます。
一昔前、漫画家が漫画を描くのに使う道具といえば、紙とGペンとインク(とベレー帽?)でした。
しかし現在では、紙もGペンもインクも、ベレー帽もいりません。
それらをまったく使わずに漫画を描くことができます。
それでは何を使って漫画を描くのでしょうか? その答えは「液タブ」です。
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目次
いままでアナログで漫画を描いてきたひとには液タブ(液晶ペンタブレット)がおすすめ
液タブは、液晶ペンタブレットの略称で、液晶ディスプレイにそのまま描くことのできるタブレットをいいます。
同系統のタブレットに板タブというものもありますが、こちらは液晶ディスプレイのない板面にペンを走らせ、描かれたものは板タブが接続されたパソコンのモニターに出力されます。
板タブが視線を手元ではなくモニターに向けて作業をするのに対し、液晶ディスプレイに直接描き込める液タブでは紙に描く感覚により近いため、いままでアナログで漫画を描いてきたひとには液タブのほうがおすすめです。
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これからますます液タブを使う漫画家は増えていくと予想される
また、漫画業界では今後よりいっそうデジタル化が進むことが予想されます。
漫画がデジタルデータであれば、漫画家が描きあげた原稿をメールなどで送信し、受けとった編集者がネームを入力して完成させ、完成原稿を今度は印刷所に送信できます。
このように、デジタルであればあっという間に入稿できてしまうのです。
これからますます液タブを使う漫画家は増えていくでしょう。
漫画を液タブで描くメリットは、入稿の効率化ばかりではありません。
ほかにも多くの利点があります。
大まかな漫画製作の工程ごとにそれぞれの利点を挙げてみたいと思います。
液タブのメリット1:液晶ディスプレイにダイレクトな描線が可能
まずはペン入れです。
下書きをペンでなぞって線画を完成させる重要な工程です。
板タブでは自分が引きたいところになかなか上手く線が引けず、そのために線の強弱を意識できないといったような、感覚と作業との間にズレが生じてしまいます。
しかし、液タブにおいては液晶ディスプレイにダイレクトな描線が可能なため、線の強弱を意識する精神的なゆとりを保つことができます。
また、斜めの線を引くときには回転、細かい部分を描画するときには拡大など、紙では難しく、技術を要する作業も比較的容易に行うことができます。
液タブのメリット2:気軽にトーン貼り・ベタ塗りが試せる
つぎにトーン貼り・ベタ塗りです。
服の柄や背景をつけるときにスクリーントーンを貼り、キャラクターの髪など指定された範囲を黒一色で塗りつぶす工程になります。
この工程もアナログではそれなりの技術力を必要とする作業ですが、液タブを使えば簡単です。
トーン貼りもベタ塗りもポイントを指定するだけ。
修正もぱっとできてしまいます。
だから気軽にいろいろなパターンを試せるし、トーンくずやインクで手や服などを汚すこともありません。
液タブのメリット3:原稿の編集が多彩に可能
最後に原稿の編集です。
セリフや効果線などを加えて、原稿を完成させます。
液タブでは、キャラクターやコマのレイヤー化によるぶち抜き、文字や強調線などの演出が直感的に行えます。
さらに雑誌ではカラーであったページを単行本化の際、簡単に白黒へ変換することができます。
液タブにより漫画制作の飛躍的なスピードアップが可能
このように液タブで漫画を描くことにはさまざまな利点がありますが、これらを総合した真のメリットは、漫画制作の効率化による制作時間の短縮であるといえるでしょう。
つまり、漫画制作の飛躍的なスピードアップです。
常に〆切に追われている漫画家にとってこれ以上に望まれるメリットはほかにないはずです。
喉から手が出るほどほしいという漫画家も少なくないのではないでしょうか。
まとめ
液タブはまだまだ高額なツールではありますが、画材の節約やアシスタントの人件費削減を考えれば、長期的にみて決して高い買い物とはならないでしょう。
いま市場はワコムの独占状態にありますが、液タブが広く普及し、他企業の参入が進めば、今後低価格化も十分ありえる話です。
現在進行形で漫画家であるあなた、もしくはこれから漫画家を目指そうとしているあなた、あるいは趣味で絵を始めてみようかなと考えているあなた、液タブの購入を検討してみてはいかがですか。