イラストレーター・漫画家を目指すかたへ…通信講座を使いながらできること・やるべきこと
イラスト・漫画の分野においてプロの道を志す方で、経済的・時間的余裕があまり見込めない方は、通信講座で正しい道を示してもらえれば…とお考えのかたがいらっしゃるかと思います。
通信講座の数も増える一方で、実際に需要もかなり高まっている様子。
今回は、プロを目指す方向けに、通信講座という軸にかかわらず絵が上手くなる・プロになる方法を考えていきたいと思います。
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通信講座だけでは足りない
率直に言ってしまえば、通信講座だけでは絵は上手くなりません。
スクーリングであればリアルタイムのやりとりができるので、それだけでも上達する可能性はいくらでもありますが、いずれにせよ受動的に講座を受けるだけではなかなか前進しないのが、問題です。
イラストレーターを目指す人
イラストレーターを目指す人であれば、通信講座を受けるのであればそれと平行して、必ず外部からの評価をもらうようにしましょう。
ツイッターやインスタグラム・あるいはHPなどで積極的に作品を発信し、「絵を描かない人の目にどう映るのか」をはかるのがもっともよい方法です。
通信講座における指導者は、そういった意味では「誰もが感動する一枚」を見つける事には消極的で、あくまでも平等な目線で評価をしてくれます。
講師によっては、自分の好みの絵柄や、経歴に左右された評価を下す場合もあります。
そういったことを念慮に入れつつ、自分から積極的に作品を見せる・公にしていくことがなによりも肝要と考えられます。
また、ひとくちにイラストレーターといっても、
- 時間をかけて一枚のアートを作るタイプ
- 商業的な作品をどんどん作るタイプ
この両者のアーティストがいると考えられます。
後者に関しては、通信講座で手際・手順・スピードを追求するのは十分に有効と考えられます。
前者について言えば、あまり講座に頼りすぎないというのもひとつ考えられることでしょう。
むしろ、講座外で受ける刺激…ほかのアーティストの作品、古典、映画やアニメーションなど、自分の世界観を構築していくことに心を砕くべきと考えられます。
イラスト自体の上手下手ではなく、そこに織り込まれているメッセージや芸術性が人々を引き付けるというケースが多くなるためです。
いずれにしても、どのようなタイプのイラストレーターになるか、しっかりと想像したほうがよいと考えられます。
漫画家を目指す人
漫画家を目指す場合、通信講座等で手際を覚えるのは非常に重要なことです。
どのようなプロでも、作画速度はかならず一定以上必要ですし、それが直接漫画家としての評価に繋がるからです。
漫画家に画力は必要ない・必要なのは作業の速さだという極論まであるくらいです。
実際に活躍している漫画家を見ても、初期の頃は「あれ、なんだかそんなに画力はないな」と感じた経験はないでしょうか。
つまり、創作しながら絵を覚えるというプロセスで上達していく人が、大多数を占めるわけです。
通信講座を併用する場合、常になんらかの漫画を描き続ける・創作を絶やさずスピードアップしていく努力をしていきましょう。
何作も描いて投稿するうちに担当がつき、その道に歩めたという先達が、何人もいます。
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仕事をしながらプロになる心構え
その昔は「プロのイラストレーター・漫画家としてデビューするのも年齢制限がある」と言われたものですが、近年はそういったことはありません。
ソーシャルゲームの勃興や漫画読者の高齢化の影響で、含蓄のあるイラスト・漫画が描ける人の需要が高まっているのです。
そのため、すでに会社員や他の容態で社会人デビューをしているかたにも、十分プロの道は開かれています。
ただし、努力は相応に必要になってきます。
通信講座を利用するのであれば、まずはこれを利用して、毎日なにかしらひとつは作品を完成させる…そういった地道な心がけがまず必要になるでしょう。
一日30分~1時間でも机に向き合っていれば必ず上達するという声もあります。
絵を描く、というのは、自分のうちに源泉がないとともすると辞めてしまいがちなことですが、ここにおいては通信講座の意義は十分あるでしょう。
プロへの道としてもう一つ考えられるのは、絵の練習だけではなく、芸術鑑賞や幅広い知識の入手など、創作の原動力となるものを常に仕入れ続けることです。
実はこれが、社会人からプロを目指す人の弱点でもあります。
学生であれば、余暇にイラストの練習・見識の拡大をしっかりとはかることができますが、生業を必要とする私たちにとってはなかなか難しいことではないでしょうか。
そこで考えられるのが、通信講座の受講を決めた場合、時間の有効な使い方・生産力の高め方などについて情報を仕入れて、しっかりと毎日のスケジュールをたてながら生活をする展望をもつことです。
現場で働くプロも、見識を広める時間を確保するために、かなり綿密に一日の計画を立てている人が多いようです。
基礎練習を必ずする事
ここから先は、通信講座にこだわらず、絵が上手くなる方法について考えていきます。
ダリの名言
かの有名な芸術家・ダリは、画家を目指す人に2つのことを勧めました。
素描と彩色の練習です。
デジタルツールの発展によって、掻き手の画力はある程度補われるようになりつつはありますが…そんななかでも、モノの形を正確にとる努力・色彩学は、依然として人間の感覚によるものです。
通信講座は、その性質上デジタルツールを専門とするものも大変多いのですが、直感的に扱えるアナログ画材も備えておくのがベストでしょう。
鉛筆と小さめのクロッキー手帳、あとは何か彩色ツールがあると便利です。
見たものをその場で簡単にスケッチするだけでも、「素描」と「彩色」の力は十分についていきます。
自分の作りたい・心に思い描いている作品を作ってプロに見せる…という講座のありかたも意義があるのですが、こうした日々のちょっとした絵の練習も怠らないようにすれば、過去・現在にいる偉大なプロの後を追う事は可能です。
こうしたことを心に留めながら、修練に励まれてはいかがでしょうか。
おすすめの本
通信講座・スクーリングかかわらず、これからプロを目指そうという画家におすすめの本があります。
最後に、その紹介をしていきたいと思います。
「絵はすぐには上手くならない」
SNS上のレビューに端を発して、あっという間にプロ志望者のあいだでベストセラーになった本です。
タイトル通り、地道で長い修練を通してしか絵は上達しない…というのがこの本の趣旨ではありますが、読むべきところは他にあります。
プロの様々な経歴を聞けばわかりますが、基本は同じでも、人によってイラストの上達の道は様々。
それを個別に分析し、タイプ別に具体的にどのような練習を積むべきかを案内しています。
加えて、「絵が上手いこと」の様々な定義の案内や、人間の絵に対する認識、絵を描かない人がどのように評価をするか…様々な角度から上達の道を考察しています。
薄い本で、定価1600円程度になりますが、練習の準備体操のつもりで読んでみると、非常に興味深く紐解くことができます。
まとめ
通信講座を利用する上で一番必要なのは、「講座内外とわず描き続ける」という強い意志です。
継続は力なりという言葉がありますが、どのようにイラストを描かれるにせよ、批評する・されることに終始せず描き続けること…これが最も大切なことになります。
これから早速習おうというかた、今まさに通信講座を受講しながらプロを目指されているかたも、是非振り返っていただければとおもいます。