ゲーム用液晶モニタの選び方 フレームレートを使いこなせ!

液晶モニタ

プレステ4の累計販売台数が2017年8月に6300万台を超えたそうです。

プレステ3は8700万台だそうですから、これを超えるのはほぼ間違いないでしょう。

ちなみにプレステ2はライバルをぶっちぎって1億5千万台超えだそうです。

しかしながらTVゲームのプラットホームとして忘れてはならないのはパソコンです。

日本では高い普及率とは言えませんが、パソコンゲームの代名詞ともいえるゲームプラットホームであるSTEAMは、2017年7月の実績で月間アクティブプレイヤー数が6700万人を超えていたとの事です。

実は現時点での据え置き型TVゲームの最大プラットホームはパソコンなんですね。

ではなぜユーザーはパソコンでゲームをするのでしょうか?

仕事や勉強に使うパソコンを『ゲームにも』使えるから、と言うのが最大の理由ではないかとも思いますが、やはり家庭用ゲーム機よりも優れたグラフィック機能が大きな魅力であることは否定できないでしょう。

ここでは、パソコンで高グラフィックゲームをぬるぬる動かすための液晶モニタのスペックについて解説します

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解像度

ゲーム用モニタに求められるスペックはさまざまですがもっとも基本となるスペックは解像度です。

緻密な画像を再現するためには、高い解像度を表示できるモニタが必要です。

最近のゲームは1920×1080画素のFHDサイズのモニタを前提にゲーム画面やUI(ユーザーインターフェース)を設計しています。

場合によっては、FHDを拡張したWQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)を利用する事で、高解像かつ、高視野を得る事でゲーム上の有利と高い没入感を得る事も出来ます。

人の視野は左右方向に長く、首の稼働も縦よりも横方向の方がたやすいため、FHDを横に拡張したUltra Wide FHD(2560×1080)や、UltraWide QHD+(3840×1600)と言ったものも人気が出ています。

特に横方向の視野が有利に働くレース系ゲームをされる方にはウルトラワイド系のモニタをおすすめします。

視野を広げるためには、単純に画素を増やせば良いのですが、かと言って画素数が増えると、パソコンの描画能力に掛ける負担も非常に大きくなります。

不要な縦方向には画素を増やさず、必要な横方向にだけ視野を広げられるウルトラワイドモニターはこの様な用途に最適です。

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高解像度モニタの注意点

また解像度の大きいモニタにはデメリットもありますので注意が必要です。

代表的なデメリットに、先に述べたUIの問題があります。

FHD画面をベースに画面の両端に配置されたゲーム内のステータス表示やコントロールパネルは、大解像度の画面では、FHDの時よりも視野の端に配置されることになります。

FHDでは、ゲーム画面とステータスを同時に視野に入れて確認できていたとしても、4Kモニタでは視線を動かさないと確認できないと言う事もありますので注意してください。

また画素数が増えるとパソコンに与える負荷が増えます。

FHDから4Kへ画素数を増やすと縦横の画素数は2倍に増えますが面積は二乗となる4倍に増え、PCにかかかる描画負荷も4倍となります。

この場合、パソコンが1秒間に描画できる静止画数も4倍となり、動画の『ぬるぬる』感に影響を与えるフレームレートは単純計算で1/4まで低下してしまいます。

画素数を増やす事のメリットとデメリットを良く考慮して、パソコンのグラフィック能力でカバーできる範囲の解像度に抑える事が重要です。

応答速度

『ぬるぬる』動く動画を実現するのに最も重要な要素は早いスピードで描画を行う能力です。

特に、FPS,アクション、シューティング、フライトシミュレーター、ドライブシミュレーターなど、キャラクターが高速に動くゲームではこの能力が非常に重要となります。

早いスピードの描画と言う場合、実際には二つの要素を意味しています。

一つ目は、一定の時間の間に、たくさんの静止画を描画する能力。

二つ目は、一枚の静止画を早く描画する能力です。

このうちの静止画を早く描画する能力は、『応答速度』と言うスペックで表現されています。

応答速度は、正確には応答時間と言うべき値ですが、画面表示を黒⇒白⇒黒と変化させるのに必要な時間で表します。

従来の液晶モニタの応答速度は数十ms(ミリセック、もしくはミリ秒。

1msは1000分の1秒)でしたが、最近のゲーム用モニタは1msの物が珍しくありません。

この数値が小さければ小さい程、画像の表示に必要な時間が短くなり、滑らかな動画を得る事が出来ます。

応答速度が遅い場合、画像の書き換えに時間がかかるため、動画としてみると残像が残る様に感じます。

リフレッシュレート

リフレッシュレートは、一定の時間にたくさんの静止画を書くための能力を示していますモニタに表示される動画は動いている様に見えますが、実際には連続で表示される静止画の集まりです。

リフレッシュレートとはモニタが、1秒間に表示できる画像の数を表しています。

この値は、モニタ描画能力を示しており、パソコンンの描画能力を表すFPSとは異なる点に注意してください。

フレームレート

リフレッシュレートと混同されがちなのがFPSです。

FPSとはFlame Per Secondの略で、一秒間の間に実際に描画される静止画の枚数のことです。

狭義には、GPU(グラフィックプロセッシングユニット。

パソコン内で画像表示させるためのグラフィックデータを計算し作成する部分)が毎秒何枚の静止画を描画できるかの能力を示しています。

この場合のFPSとはあくまでもパソコン側の能力であり、モニタの能力ではありません。

パソコンのモニタのリフレッシュレートを生かすためには、FPSがリフレッシュレートより高くなければなりません。

人間の知覚の限界

FPSがリフレッシュレートよりも高ければ、リフレッシュレートと同じレートで、静止画の書き換えが実行されます。

このフレームレートが低かったりばらついていたりすると動画がギクシャクしている様に感じてしまいます。

従来は人間が知覚出来るフレームレートは16FPS程度が限界と言われていました。

最も初期の動画である映画が24FPS、テレビが30FPSとなっているのはこの16FPSを超えた値を規格化したためです。

しかしながら最新の研究では、人間の無意識も含む知覚能力では60FPS以上の動画も認識しうると言われています。

昨今実用化されているVRゴーグルでも、60FPS程度の描画速度では人間の知覚に異常をきたしVR酔いを起こす事が知られており、90FPS以上と言う値が一般化されています。

ゲーム用液晶モニタの応答速度とリフレッシュレート

ゲーム用液晶モニタのスペックを考えると、理想的には、人間がほぼ認知できないであろう90FPS以上が理想的です。

また応答速度も速い方が、残像が少なくシャープな動画となるため、5ms以下であることを望ましいでしょう。

しかしながら、スペック上の応答速度の値には注意が必要です。

応答速度は黒⇒白⇒黒の順に色を表示した場合に掛かる時間を表していますが、この色変化は液晶モニタで表示する上でもっとも早く変化させることのできる色であると言う点です。

液晶モニタの発色の原理は、1画素の中にある青赤緑の発行点それぞれについたシャッターの開度をコントロールして、色を混ぜ合わせる比率を変える事にあります。

青色を発色する場合には、それぞれの色の開度を青100%、赤0%、緑0%とします。

黄色であれば、青0%、赤50%、緑50%となります。

この、色ごとの発色を制御するシャッターが液晶樹脂で出来ているのが液晶モニタですが、シャッター駆動は、液晶樹脂の裏表に電圧をかけることで行っています。

シャッターの開度は、かける電圧に比例します。

開度0⇒100%の変化には最大電圧を掛ける事で素早く動かす事が出来ますが、開度20⇒80%と言ったような変化の場合は、かられる電圧が低い為、液晶の駆動速度が遅くなります。

開度が0もしくは100%では無い色調のことを中間階調と呼びますが、中間階調の応答速度は、カタログ値よりも遅くなると言う事を覚えておきましょう。

また、応答が早いと言われているTN液晶は中間階調での応答速度がより遅くなる傾向にあります。

オーバードライブ

中間階調の応答速度を上げるためには、液晶駆動の途中で瞬間的に電圧を上げるオーバードライブと言う手法がとられています。

オーバードライブを使用しているモニタは、中間階調でもカタログスペックに近い応答速度を実現出来ています。

カタログ値にgray to gray ,G to Gと言うような言葉が使われている機種はオーバードライブ搭載機種となっています。

安定した高速描画には必須の技術です。

まとめ

ここでは、ゲーム用液晶モニタに重要なフレームレートについての解説を行いました。

フレームレートは人間の知覚限界と思わる90FPS以上である事が重要です。

また、フレームレートは、モニタの能力とパソコンの能力、ゲーム動画の品質のバランスによって決まります。

必要なことは、やりたいと思えるゲームがどの程度のグラフィックレベルであり、所有しているパソコンが十分なグラフィック機能を持っているかを確認する事です。

これがはっきりしていれば、パソコンから出力される動画を再生できるリフレッシュレートと画素数のモニタを選ぶのみとなりますので、今回ご紹介したスペック項目を機種選定の参考にしてみてください。






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