デザイン専門学校の選び方、こうすれば失敗しない5つのポイント
「デザインについて学びたい」という方には、専門学校に進むことをおすすめします。
もちろん、大学もたくさんありますし、充実度では専門学校のほうが弱いのは否定できません。
しかし、大学は倍率が高く、実技の1次試験で切られてしまうことも少なくありません。
石膏像の真正面や真後ろに座席をふられてしまうと、とても描きにくくて1次試験で合格できないともいわれます。
運に恵まれるかどうかにもよるそうです。
浪人するには経済的にちょっと苦しい方、あるいは、すでに社会人で、1日も早くプロのデザイナーとして仕事をしたい方には専門学校に通うことを考えてみましょう。
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まず、具体的に何がしたいのか、ゆっくり考えてみてください
18歳人口の減少により、専門学校も淘汰されてきています。
たいていの場合、書類選考だけで合格できると思いますが、面接試験、筆記試験がある場合もあります。
「面倒だな」という気持ちもあるかもしれませんが、それだけきちんとした学生を選び、大きく育てようとする学校側の責任の現れだと思ってください。
ところで、デザインといってもいろんな分野が存在します。
- 服を創りたい。
- 靴を創りたい。
- ジュエリーを創りたい。
- 部屋の環境をデザインしたい。
- 自動車をデザインしたい。
- 自転車をデザインしたい。
- ポスターのデザインをしたい。
- 道具のデザインをしたい。
などなど、およそ人間の生きるところにデザインは存在します。
専門学校はだいたいが2年制なので、あっという間に終わってしまいます。
1年生になったら、すぐに就職のことを指導されます。
その短い時間の中で、何をめざすのか。
そこをきちんとしておかないといけません。
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必ず学校見学に行きましょう
いずれはお世話になる学校かもしれません。
社会人の方はお忙しいと思いますが、必ず、学校見学に行ってみてください。
できるだけ、ふだんの時の様子を知りましょう
オープンキャンパスは、しっかりした学生に手伝ってもらっているので、できることなら、ふだんの日の様子を見学させていただくほうがいいです。
まじめな学生が多いか、なんとなく来ている学生が多いか。
学生のマナーはよいか。
授業態度はどうか。
見学者がいるのに生徒の間に私語があったりもします(普通、遠慮するものでしょう)。
そのあたりを、しっかり見てきましょう。
専門学校というのは、本来、プロ意識の高い集団のはずです。
意識の高い学生が多い学校が、おすすめの学校です。
オープンキャンパスは参加必須です
ふだんの見学ができない社会人の方は、必ず参加してください。
もちろん高校生は参加しましょう。
そして、できれば先生に顔を覚えてもらえるといいですね。
そのためには、いくつか質問を考えていくとよいでしょう。
決して安くないお金を出して進学するのですから、ぜひ足を運んでください。
オープンキャンパスのスタッフは、その学校で、意欲的に活動している学生が引き受けています。
いわば、「よりぬき」の学生さんです。
こういう言い方をすると申し訳ないのですが、いわば専門学校の「イメージキャラクター」とも言えます。
彼ら/彼女らの印象を心にとどめておきましょう。
あんなふうな学生になりたいかどうか。
ここはフィーリングもかかわってきますね。
何校か見て回り、比較をしましょう
気に入ったから、と1校だけ見て決めてしまう人がいます。
それは危険です。
デザインの専門学校は、いくつもあります。
校風の向き不向きもあるでしょう。
理屈ではなく、感性のようなものがはたらくかもしれませんが、それも大事です。
自分の将来をゆだねる学校です。
慎重すぎるくらい、比較を重ねてください。
考え方の一例
たとえば、ジュエリーデザインを勉強したい場合のことを考えてみましょう。
文化服装学院(設立1923)に「ファッション工芸科ジュエリーコース」があります。
老舗の学校だし、ここで決まり!
という前に、いろいろ調べてみましょう。
ほかにもジュエリーデザインを学べる学校はあるのです。
ジュエリーに、「ものづくり」の視点からアプローチしている、「山脇美術専門学校」があります(設立1947)。
文化服装学院とは違って、小規模校ですが、ここも長い歴史があります。
パッケージのデザイン、空間のデザインとともに、ジュエリーをデザインする学科がよく知られています。
「ヒコ・みづのジュエリー・カレッジ」という専門学校もあります(設立1966)。
ここも長い歴史のある学校です。
しかも、校名にジュエリーをかかげているだけあって、靴、バッグ、機械式時計のデザインとともに、宝飾デザインを勉強することにかけてはトップだ、というくらいの自負のある学校です。
比較的大規模な専門学校では、美術系の科目の多い東京デザイン専門学校(設立1966)に、ファッションジュエリー科があります。
このように、高校を選ぶよりも選択肢も多く、その学校ならではの雰囲気もあるので、選択には頭を悩ませられます。
大規模校は、やはりたくさんの人に出会えて、たくさんの刺激をもらえるでしょう。
小規模の専門学校では、アットホームで、その学校にしかできない指導があって、だからこそ長年続いてきたわけです。
少子化の影響で、閉校を余儀なくされる専門学校もいくつもあります。
その中で生き残っている小規模な専門学校は、ある程度評価が高いと考えてよいと思います。
デザイン専門学校の正しい選び方
例にあげた、服飾系を軸にしたデザイン専門学校の選び方にもとづいて、整理をするとこんな感じになります。
大規模校か、小規模校か学校の得意分野はなにか、その分野とともに学ぶことに納得できるか自分の望む分野のデザインを中心に勉強できるかどうか雰囲気が合いそうか学生さんは意欲的な学校かこの5点を頭に入れて、必ず見学をしたあとに学校選択をするとよいと思います。
認可校か、無認可校か、その違い
「専門校」「専門学院」「専門学校」「学校法人」お堅い文字が並びますが、これっていったい何を意味するのでしょうか?
「専門学校」を名乗るには、都道府県の許可が必要
正式には「専修学校専門課程」を持っている学校のことを「認可校」と呼びます。
認可校以外「専門学校」と名乗ることはできません。
高校を卒業してからすぐに進学する方には、絶対に認可校をおすすめします。
認可校のメリットは
認可校は、「施設や設備がじゅうぶんか」「教員数はじゅうぶんか」「教える内容は適切か」など、あらかじめ都道府県に届けを出して、認可をもらって開校するからです。
卒業したら、短大卒と同様に扱われます。
また、専攻科などを設置している学校では、続けてもっと勉強できる可能性があります。
各種交通機関の学割が受けられます。
たとえ無認可校であったとしても
社会人の方で、働きながらデザインの勉強をしたい方には、認可校をすすめられません。
専門学校の多くが、夜間開講をしていないからです。
無認可校でも、レベルの高い学校があります。
しかし、教室が手狭だったり、教員の数が少なくて、質問をしようとしても指導の手が回らなかったりする場合がないわけではありません。
そういったところは、インターネットのクチコミなども参考にして考えてください。
見学で足を運ぶのもたいへんでしょうけれど、いまの「学びたい!」という気持ちをあきらめないでほしいと思います。
まとめ
高校生のみなさんは、専門学校を選ぶ側に立つことができています。
でも、最終的に入学するのは1校だけです。
あとから「こんなはずじゃなかった」と思うことのないように、保護者の方と一緒に、慎重に考えて決めてください。
社会人の方は、いろいろ制約があるかもしれません。
夜間部に通うことになったり、無認可校を選ばざるをえなかったりするかもしれません。
もちろん、無認可校でも求人票が全く来ないわけではないでしょう。
でも、「これだけのことをしてきました」というポートフォリオが作れれば、ハローワーク経由でも、チャンスはあります。
デザインは、すべての人が生活していく上で必要なことです。
おしゃれなこととか、かっこいいことばかりが目立ちますが、本来は衣食住すべてに、なにかしらかかわる、大切な仕事です。
ぜひがんばってください。