液晶モニタの周波数はどれがベスト?240Hz以上のものがおすすめ!
液晶モニタは私達の生きている世界とは同じ映像を映していません。
液晶と言う機構を通して一定間隔の更新間隔で随時画面が書き換えられているのです。
そしてその更新頻度を表す要素が周波数で、単位は「Hz(ヘルツ)」と呼ばれています。
より快適な環境を実現するためにも液晶モニタについて知ることは重要です。
今回はどのくらいの周波数の液晶モニタを手に入れれば良いのかみていきましょう。
FPSに注目しよう
液晶モニタは凄まじい速度で画面を書き換えることで映像を映し出しています。
その速度はHzで表せますし、同じような意味合いの言葉にはFPS(Frame per second)というものもある形です。
FPSとは言葉通り「1秒間あたりのフレーム(映像)の書き換え数」となります。
FPSは主にゲームや映像分野で使われる用語で、Hzはモニタに使われる用語と考えて良いでしょう。
そのため実際に何か映像を楽しむときにはFPS単位で考えることになるはずです。
例えばFPSが1だと1秒間あたり1回しか画面を更新しないので非常にカクついた映像が映し出されます。
これが倍の2になると1秒間あたり2回となり、0.5秒ごとに画面が更新されることになる形です。
なおテレビ放送では30FPS、多くの液晶モニタは60Hzを採用しています。
一般的には60Hzのもので十分
「テレビ放送の30FPSで違和感が無いんだからそれ以上は不要なのでは」と思われるかもしれません。
ですがよくよくテレビ放送をみてみると激しく画面が揺さぶられたときに残像が残っていたりするもの。
この残像は画面の描画が間に合っていないために起こる現象で、きっちり描画できていれば無くなるはずです。
また、ゲームなどでも30FPSに固定している作品が存在するのですが、こうした作品はゲーマーから不評を買うこともあります。
全体的にザラついた質感になってしまい、滑らかさが失われるため理想的な設定とはいえないのです。
というわけで30FPSではあまり良い環境とはいえないと考えられます。
ではどの程度のFPSがあれば良いのかというと、液晶モニタとして一般的な60Hzのものが基準となる形です。
60Hzは一般的にゲームにも採用されているFPSであり、十分に滑らかな描画環境となります。
そのため特に映像を使ったコンテンツにこだわりがなければ60Hzの液晶モニタを選べば良いといえるでしょう。
近年では安価で綺麗な60FPSの液晶モニタもたくさんあるので選択肢は豊富にあるはずです。
むしろ適当に選んでも大抵の液晶モニタは60Hzなので価格だけをみて選んでしまっても良いかもしれません。
現実世界にFPSは存在しない
液晶モニタのHzを考えるときに気になるのが現実世界のこと。
一体現実では何Hzもしくは何FPSなのかという疑問が湧くかもしれません。
ですが現実世界にはHzやFPSという単位を当てはめることはできません。
Hzは「1秒間あたりのモニタの更新回数」を示す数値であって、モニタが無ければ適用することはできないのです。
またFPSは「1秒間あたりの画面の更新回数」なのでこちらも画面が無ければ意味を成しません。
強いて言うのであれば原子が動く最も短い時間単位をFPSといえるかもしれませんが、それは途轍もなく小さいものですしその半分の時間単位も考えられてしまうのでここで述べているFPSとは意味が乖離してしまいます。
人間の能力からみるFPS
もし現実世界でのFPSを考えるなら「人間側がいくつまでFPSを体感できるのか」という方向性で考える方が良いでしょう。
現実世界のFPSを途轍もなく高い数と考えたとき、人間は果たしてこのFPSをどこまで認識できるのか、という話です。
1秒間に1回、目に与えられる情報が更新されれば必ず知覚できますし、10回でも知覚できそうです。
では100なら、150なら、200なら、と考えていくことで人間が認識できるFPSを把握することができるでしょう。
こうした実験はあまり多く行われていないのですが、参考となる実験が行われたことがあります。
人間が認識できるのは240FPS前後か
映像情報メディア学会の正会員である黒木義彦氏が発表した「高フレームレートによる3D映像の高画質化に向けて」という論文で、奥行きの知覚に関する実験が行われました。
この実験は手前・中・奥にパターンを表示し水平移動させ、どの奥行きに見えるかを被験者に答えてもらうというもの。
実験結果では高速に動くオブジェクトの場合、より低いFPSだと回答率も低くなり、より高いFPSだと回答率が高くなったとのこと。
やはりより奥行きの区別がつくぐらいくっきりとした映像のためには高いFPSが必要になるようです。
また、同氏が2012年に発表した「Improvement of Motion Image Quality by High Frame rate」という論文では指標が示されています。
いわく60FPSよりも120FPSのほうが良い成績を示し、240FPSあたりで評価が飽和したとのこと。
というわけで現時点では人間が知覚できるFPSは240が指標といえるでしょう。
この実験結果が示すことは「240FPSまでなら知覚できる可能性がある」ということです。
そのためできるだけ良い環境を整えるには240Hzの液晶モニタを手に入れれば良いと言う事が分かります。
パソコンの性能にも注意
240Hzほどのモニターを使うとなると今度はパソコンのスペックも併せて考えたいところ。
240FPSを実現するためには1秒間に240回も画面を描き直さなければいけないわけで、それだけの命令を液晶モニタに下せるパソコンが必要になるわけです。
パソコンの性能が悪ければ240Hzを達成することはできず宝の持ち腐れとなってしまうかもしれません。
パソコンにとってFPSは低ければ低いほど快適になり、高ければ高いほど負担がかかるようになります。
主に重要なパーツは画像処理を司るグラフィックボードです。
高いFPSを実現する液晶モニタを活用するにはできるだけ良いグラフィックボードも揃えておきましょう。
使うケーブルもチェックしておこう
家電量販店に行くと様々な液晶モニタを見ることができ、中には高いHzのものも見かけるかもしれません。
ですが同じ高いHzのモニタなのにも関わらず片方はぬるぬるで片方はカクついているということがあるものです。
そしてよくよく背面をみてみるとどうやら接続ケーブルが異なるということがあります。
実は高いFPSを実現するにはケーブルが重要なのです。
DisplayPortがおすすめ
いくらパソコンや液晶モニタの性能が良くてもそれを繋ぐケーブルの規格が対応できなければ意味がありません。
古い規格ではデータの転送量が低くとても240Hzを実現することはできないのです。
ではどういった規格が良いのかというと、それはDisplayPortという規格になります。
DisplayPortには主に1.2や1.4というバージョンがあり随時更新しているところです。
またモニタによってケーブルの種類限定で高いHzで使えると指定されていることもあるので注意が必要です。
その際は指定されているケーブルを繋ぐようにしましょう。
まとめ
液晶モニタに相応しい周波数についてみてきました。
一般的には60FPSで十分ですが、人間は240FPS前後まで知覚することが可能です。
そのためより良い環境を作るには240Hzに対応した液晶モニタを手に入れると良いでしょう。
その際はパソコンのスペックや接続するケーブルにも注意しておく必要があります。
上手く環境を構築することができれば映像を楽しむ上で非常に快適な環境を作る事ができるはずです。