プリンストンのペンタブについて
現在ではペンタブのシェアはワコムがトップを走っている状態ですが、かつてまだワコムがペンタブという商品を世に出したころに同じようにペンタブに参入した企業がありました。それがプリンストンという会社です。
プリンストンは日本の映像機器メーカーで現在でもペンタブをはじめ、液晶ディスプレイやハードディスクなどパソコン周辺機器の企画と開発を行っています。
しかしながらペンタブにいたってはもうほとんど店頭にならんでおらず、製品の新商品情報も2012年以降行われていないようです。実質的にワコムとのペンタブ競争に破れてしまったという形です。
ではプリンストンのペンタブはワコムのものと具体的にどのような点が違っていたのかまとめてみます。
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プリンストンのペンタブはワコムよりも割安
ワコムシリーズのペンタブは一番小さいものでも10,000円前後します。しかしプリンストンの場合は一番安いもので2千円程度でした。上位機種でintious mediumと同等の大きさのペンタブの場合もワコム製が2万円台だったのに対し値段は1万前後と非常に低価格でした。
ファンクションキーにあたる機能も備えており機能性も十分高かったといえるでしょう。
筆圧感知レベルもほぼ変わらなかったので数年前はワコムからプリンストンの機種に乗り換えるユーザーも多かったようです。
プリンストンは液タブでも優位性を保っていた
また、ワコムが液晶タブレットの初代機種を発売していた頃もプリンストンは対抗機種を販売していました。当時のワコムの液晶タブレットが15インチサイズで1台15万円前後したころにプリンストンが発売したのは19インチ型で8万円台の液晶タブレットでした。
液晶タブレットを欲しいと検討していたユーザーはおそらくプリンストンの商品を買った人も多かったと思います。
しかしながら、ワコムがその後ペンタブの機能を強化し、セルシスやAdobeといった大手ソフトメーカーとの連携を強化するにつれ乗り遅れてしまったプリンストンは競争から離脱していくようになりました。
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プリンストンのペンタブの大きな欠点はペンが重いこと
プリンストンのペンタブは何がだめだったのか?
プリンストンのペンタブは発売された当時、ワコム製のものと性能に関してはほとんど遜色がないといっても過言ではありませんでした。
プリンストンのペンタブの決定的な欠点はペンが充電式ということでした。
ワコムの製品を手にとってもらうとわかりますが、電池なしで筆圧を感知するようになっています。しかしプリンストンの製品のほとんどはペン自体に電源があり充電が必要だったのです。
対応電池は単3および単4が2本でしたがペンの重さに影響する上、使用するたびに充電が必要になる不便な設計はユーザーには受け入れられなかったようです。
技術面でもワコムがプリンストンを逆転
さらに、ペンタブが筆圧だけでなく、傾きや回転などのペンの微細な動きも感知できるようになってきたため、それまで筆圧レベルでは勝負できていたプリンストンはワコムに技術面でも差を開けられてしまいました。
プリンストンは有名漫画とコラボしたオリジナルデザインのペンタブを発売したり低価格路線で生き残りをかけましたが、ワコムも低価格路線を展開しだしたため、そのニッチも奪われてしまいました。
現在ではプリンストンのペンタブは市場に出回っているものだけとなっています。
しかしながら、病院などの医療機関ではまだペンタブを提供しているようです。ペンタブのシェアはほとんどワコムに奪還されてしまいましたが、今でもプリンストンを使い続けているユーザーは多いようです。
販売が低調になった現在でもドライバなどのアップロードは行ってくれているのでまだ良心的といえると思います。
まとめ
ペンタブというとかつては様々なメーカーのものが発売されていましたが、結果的に残ったのはワコムだけになってしまいました。
プリンストンがもう少しうまくシェアを奪っていれば低価格の液晶タブレットが世に発売されていたかもしれません。