特に漫画を描きたいひとのための、ペンタブ・ソフトあれこれ
近年は、プロの漫画家も次々に作業のデジタル化を図っています。
これから漫画家デビューを目指す方も、「やっぱりペンタブがないと」「デジタル作画に慣れて工数を減らしたい」という要望が大きいのではないでしょうか。
今回は、今買い時のペンタブ商品のご紹介を中心に、漫画を描くために必要なソフトなどのご紹介をさせていただきます。
>>私が絶対おすすめする液タブ・ペンタブランキングはこちら
板タブvs液タブ
そろそろデジタルで漫画が描きたい…となると、一番先に必要になるのがペンタブレット。
通販や家電店の売り場で悩むことも多いのではないでしょうか。
とくに店頭で検討する場合、試し書きをして「これはダメだな」と諦めてしまう人も少なからずいるようです。
実はこれが落とし穴で、ご家庭の環境に合わせてベストな描き味を調整すれば、アナログと同等かそれ以上のパフォーマンスを引き出すことができます。
いざ買うことを決心して、問題になってくるのが予算。
筆者の考えでいえば、「安いものを買っても、結局買い替えることになるので、最初から気前よく良品を買ったほうがいい」と思います。
コミック向けモデルということで、1~2万円台で用意されている商品はありますが、使用者からは「消耗品である」との意見が散見されます。
アナログで言えば筆と紙に相当する器具ですから、買い替えに伴って煩雑な再設定が必要になる…というのは、少々めんどうではないでしょうか。
ここまで来て考えられるのは、「では板タブにするか、液タブにするか」。
選択次第でお値段はかなり変わりますが、ご紹介していこうと思います。
intuosの最新モデルがアツい
intuosから最新のモデルが出て、今話題を集めています。
お値段は2万円台後半~サイズによって5万円ほど。
従来モデルに比較すると、割高感は払拭できません。
筆圧感知レベルなどの向上はありませんが、ファンクションキーが増えたことで、デジタル中~上級者がやりたいショートカットを多数設定できるようになりました。
漫画を描く上でもショートカットはかなり使うので、将来を見据えるなら選択肢に入るでしょう。
ただ、従来モデルも見逃せません。
上位モデルが出たことで大幅なセールが実施されている店舗が多く、通販でも1万円台で購入できるようになってきました。
初心者ならば十分に満足できるスペックですし、とりあえずペンタブレットを試したい・かつある程度の性能は期待したいというかたは、お得に買えるチャンスです。
価格帯1~5万円でデジタルに乗り出したいかたには、板タブをおすすめします。
Cintiq 13HDが今ならお得?
ワコムの液晶ペンタブを総称して「Cintiq」と呼ばれていますが、こちらも新規モデルが順次発売されています。
従来モデルとの決定的な差は筆圧感知レベルで、2048→8192と大幅に向上しています。
公式サイトによると、視差や傾き検知の性能も向上しているのだとか。
ただし、お値段は13万円~20万円ほどと、かなりお高めの設定です。
そこで筆者がおすすめしたいのが、従来モデルのCintiq。
特に一番小さい13HDならば、最安値で8万円台と、かなりお得な価格になっています。
こうまでして液晶ペンタブをおすすめしたいのは、アナログからの移行で挫折する可能性を限りなく排除できる…というのがポイントです。
板タブレットの場合、お使いの液晶モニタに左右される部分が大きいのですが、液晶ペンタブは筆記感にさえ慣れてしまえばアナログと同じ。
一定の予算を確保できるのであれば、板タブよりもこちらを購入するのが吉でしょう。
奮発して液タブを検討されているかたは、各サイトの通販ページをご参照ください。
>>私が絶対おすすめする液タブ・ペンタブランキングはこちら
漫画を描くのに必要なソフト
現在、デジタル漫画を描くツールとして「ほぼ一強」とされているのが、通称クリスタ。
聞き覚えのあるかたも多数いらっしゃるのではないかと思います。
対抗するように無料ソフトがいくつかありますが、プロも使っているということで、ますます支持者が増えています。
一体どのあたりが、使いやすい理由なのでしょうか。
クリスタが支持を集める理由
クリスタは旧名コミスタと言って、古くからデジタル漫画の作成を支援してきたソフトです。
ネーム作成からペン入れ、賭けアミ入れやトーン貼りなどの一通りの機能を備えているのは、言うまでもありません。
筆者が実際に使ってみて感じたのは、プロや投稿用のフォーマットに準拠しているのはこのソフトしかない…ということでしょうか。
漫画賞の応募要項を見ると、デジタル投稿の設定が細かく公示されています。
それにも雑誌ごとにバラつきがあるので、フォーマット作成の際は要注意なのですが…クリスタは原稿用紙設定の自由度が非常に高いので、困ることがありません。
また、トーンや素材の豊富さも他のソフトに比べて群を抜いており、お好きなタッチで漫画作成をすることも可能です。
これらを使いこなすための通信講座や動画なども豊富で、さすが一番人気のソフトというところでしょうか。
学生さんやフリーターの皆さんにとっては、「ペンタブに加えてソフト購入代もかかるのか」と不安ですが、こちらもご安心を。
月に数百円で利用ができ、24か月支払いを続けると永久プロダクトキーが手に入ります。
カードなしで分割で買えるというわけですね。
ソフトの使い方でデジタルをあきらめそうになったら、ぜひクリスタを導入してみてください。
実は液タブ+PC以外の手段も
ここまで、ペンタブとパソコン・コミック製作ソフトという3種の道具で漫画を描く提案をしてきましたが、実はそれ以外にも道があります。
最近話題のタブレットPCがそれです。
サーフェイスやその他タブレットPC
お値段なんと40万円からですが、サーフェイスのクリエイターモデルPCが日本に上陸しました。
画面の角度を自由に調整できる一体型デスクトップPCで、Windows製品なのでもちろん各種コミック製作ソフトも使えます。
専用のファンクションパーツを画面の上に置けば、ダイヤルを回してショートカットを使うことも可能。
筆圧感知レベルは公表されていませんが、プロからの良評価が多く集まっており、今注目の製品となっています。
しかしいくらなんでも高すぎる…こう考えるかたが大半でしょう。
そこでご提案できるのが、タブレットPCです。
国内外の各メーカーが販売しており、搭載されているOSはWindowsが大半。
筆圧感知は2048程度のものが多く、ワコムのペンタブ製品と大差ありません。
特に便利なのが、持ち運びできるところです。
一部のクリエイターは、家だと集中して作業できない・外出先でやりたい…という人もいるのだとか。
そんなかたには、まさにタブレットPCがぴったりなのではないでしょうか。
こちらもデジタル初心者には、ご一考いただきたいものになります。
iPad Proはペンタブ替わりになるか
iPad Proは非常に好評で、ついに第二世代が発売されたところです。
実際に漫画を描いてみたというレビューも多いのですが、結論から言うと、Mac製品をお持ちのかたにはぜひおすすめしたいものになります。
Appストアで提供されているアプリを使うことになりますが、MacOSとの画面同期で「液晶ペンタブ」として使うことができるんです。
もちろんiPad単体でも漫画をかけるアプリがいくつかあり、とりあえず気軽に描きたい・ついでにタブレットとしての役割も欲しいというかたにはおすすめです。
複雑な設定が必要ないのも大きなメリットではないでしょうか。
是非ご検討ください。
まとめ
時にはペンタブレットというくくりを外れて、漫画・イラスト制作のデジタル移行をしたいとお考えのかた向けに、色々なご提案をさせていただきました。
選び方次第では一世一代の高価な買い物ということにもなりますが、それでも少しでもお得に・かつ長く使える製品を選ぶ手段はあります。
あわせて、漫画を描くツールの紹介も簡単にさせていただきました。
参考になれば幸いです。