モニタアームを使うときの注意点は? 4つのポイントまとめ
モニタアームは、液晶モニタの位置を自由に動かしたり、マルチモニタ環境を構築する際に役立つ商品です。
これをうまく活用すれば、普段の作業がより快適なものになります。
しかし、モニタアームを導入する際は、注意すべきポイントがあります。
モニタアームのメリットをしっかり引き出すためにも、その注意点をしっかり押さえておきましょう。
互換性
モニタアームを液晶モニタと接続する際は、モニタの裏にあるネジ穴を使うことになります。
この穴を使ってアームを接続し、固定するわけです。
しかし、もしネジ穴とアームが合っていなければ、せっかく購入したモニタアームを接続できなくなってしまいます。
そのため、液晶モニタのネジ穴とモニタアームの互換性については、購入前に必ず確認しておかなければなりません。
といっても、ほとんどの液晶モニタは、しっかりとモニタアームに対応したネジ穴がついているものです。
液晶モニタのネジ穴のサイズや位置は、「VESA規格」という世界共通の規格で定められています。
そのため、よく確認せずに購入してしまったとしても、問題なくモニタアームを使用できる可能性が高いのです。
ただし、すべての商品に当てはまることではないため、まれに合わないものもあります。
その場合は、ネジ穴とかみ合わなくなり、アームを固定することができません。
これを避けるためには、商品の詳細やレビューなどをよく見ておくようにしましょう。
同じ液晶モニタで動作確認ができている商品であれば、安心して購入することができます。
マウントアダプタ
VESA規格に対応していない液晶モニタには、マウントアダプタを使いましょう。
このアダプタを取りつければ、VESA規格のモニタアームを接続することができるのです。
マウントアダプタを使用するには、別にアダプタキットを購入する方法と、あらかじめ付属した商品を購入する方法があります。
最初からアダプタが付属しているモニタを購入しておけば、「モニタアームが合わず設置できない」という事態は起こりません。
耐荷重
モニタアームは、液晶モニタをしっかり支える強度がある商品ですが、すべての商品に対応しているわけではありません。
場合によっては、重さに耐えきれず、大きく傾いてしまうことがあるのです。
サイズの大きい液晶モニタを使っている人は、特に注意が必要になります。
27インチより大きいものだと、重量が10kgを越える商品も多く、最悪の場合は、突然落下してしまうこともあるのです。
そうした失敗を避けるためには、モニタアームの最大耐荷重を、必ず確認してから購入するようにしましょう。
モニタアームは、商品によって耐えられる重さが異なるので、それをしっかりチェックしておけば、失敗することはありません。
余裕をもって選ぼう
モニタアームは、最大耐荷重をよく見て選んだものなら、傾きや落下は起こりません。
しかし、あまりギリギリの商品だと、たとえ最大耐荷重を越えていなくても、うまく設置できないことがあります。
というのも、モニタアームが支えているのは、液晶モニタの重さだけではないからです。
モニタアームは、液晶モニタの他に、接続されたケーブルも支えなければなりません。
ケーブルといえば、それほど重いものではないイメージがありますが、太いものが何本もつながっていたりすると、意外に重くなってしまうものです。
そのため、最大耐荷重ギリギリだと、実際に設置したとき、重量オーバーになることがあります。
また、厚みのある液晶モニタの場合も注意が必要です。
液晶モニタとモニタアームを接続した場合、その重心はアームを取りつけた位置になるものですが、厚いモニタだと、重心が外側に偏ることがあります。
すると、実際の重さよりも大きな負荷がかかってしまうのです。
したがって、モニタアームの最大耐荷重を確認するときは、かなり余裕をもって選ぶようにしましょう。
そうしておけば、予想外の重量がかかった場合でも、しっかり支えることができます。
設置する場所の強度
モニタアームには、主に3つの設置方法があります。
そのうち、設置する場所に穴をあけてネジ止めする「ネジ固定式」と、同じく穴を開けてボトルを通す「グロメット式」は、少し難易度が高いものです。
どちらも穴をあけて固定する方法なので、固定力は高くなりますが、初心者向きではありません。
簡単に設置したいときは、固定具を使って挟み込むタイプの「クランプ式」がおすすめです。
この方法なら、設置場所に穴をあける作業は必要ないため、誰でも簡単に取りつけることができます。
クランプ式は、3つの中では最も一般的な方法であり、種類が多くあることもメリットです。
ただし、簡単な方法でも、注意点はあります。
モニタアームを使ってマルチモニタ環境を構築する場合、設置する場所の一点だけに、圧力が集中してしまうのです。
例えば、机に取りつける場合は、固定具で挟んだ部分に負荷がかかりすぎるため、だんだん歪んでくることがあります。
マルチモニタはとても便利ですが、そのためには、設置場所の強度が重要なポイントになるのです。
補強プレートがおすすめ
モニタアームの導入では、マルチモニタが目的の場合も多くあります。
そのためには、できるだけ強度の高い設置場所が必要になりますが、たとえ強度不足の机などがあっても、簡単には変更できないことが多いものです。
そんなときは、補強プレートを使いましょう。
これは、固定具に挟むことで、接地面積を大きくできる便利なアイテムです。
広い面積があれば、設置場所にかかる負担が軽減されるので、歪みなどの問題は解消できます。
マルチモニタで強度が心配なときは、ぜひ使ってみてください。
可動域
モニタアームを導入する際、必ずチェックしておかなければならないのが、「自由に動かすことができるか」という点です。
好きな場所に自由に移動できるものでなければ、不便に感じてしまうことがあります。
モニタアームのメリットといえば、モニタを浮かせて動かすことで、スペースを広く使ったり、より作業しやすい環境をつくることですが、そうした使い方をするには、スムーズに動くことが大切なのです。
そこで重要になるのが、モニタアームの軸の数になります。
モニタアームには、2軸、3軸、4軸といった軸の種類がありますが、広い可動域を確保するためには、4軸の商品がおすすめです。
軸の数が多ければ、動かすときの自由度が増します。
それならば、より細かい調整なども可能であり、自分に合わせた使い方ができるのです。
アームの種類にも注目
モニタアームの可動域は、アームの種類によっても左右されます。
自由に移動できることがメリットのモニタアームですが、アームの種類によっては、動かせない方向もあるのです。
例えば、垂直タイプのアームだと、上下の動きは問題ありませんが、左右への移動はできなくなります。
また、水平タイプのものは、左右には移動できても、上下に動かすことはできません。
このように、動きが限定されている商品もあるので、導入する際は、アームの種類を必ず確認するようにしてください。
すべての方向に動かしたい場合は、水平垂直タイプのアームが適しています。
自分の目的に合わせて、最も必要な性能を備えた商品を選びましょう。
まとめ
モニタアームは便利ですが、どんなものを使ってもメリットがあるわけではありません。
大きいモニタを取りつけるなら最大耐荷重を、広い範囲に動かしたいなら軸の数をチェックしておかなければ、せっかく購入しても、思うような使い方はできなくなります。
モニタアームの導入で最も大切なのは、自分の目的に合った商品を選ぶことなのです。
ここで紹介したポイントを参考にして、最適なモニタアームを見つけましょう。