レベルに応じたペンタブの選び方と、基本的な練習方法

ペンタブレット(板タブ)

ペンタブレットを購入する人は、全く使ったこともない初心者の方もいれば、既に使っていてより上位の機種を選ぶという方、また壊れたので同性能の新しいものに買い換えたいという方もいることでしょう。

絵を描く、あるいはペンタブを使うレベルに応じた選び方と、初心者が使い始めるに当たっての簡単な練習方法、さらにはペンタブを快適に使うコネタなども見ていきましょう。

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どうやってペンタブの練習をすればよいのか

ペンタブ初心者の場合、絵を描き慣れているとしても、ペンタブレを使うと違和感が大きいことでしょう。

また使い慣れている人であっても、買い換えたばかりの新しいペンタブに慣れるまでは何日もかかってしまうのが現状です。

ある程度の使用経験がある人であれば数日使ううちに慣れてきて、また描画ソフトの設定を変更することで自分に最適な描画環境を見つけることもできると思います。

しかし全くの初心者がペンタブに慣れるには、数日では難しいと言えるでしょう。

板型タブレットの場合、ペン先に直接絵が描かれる訳ではないため、そもそも「ペン先を見ずにPC画面を見て絵を描く」という動作は、初心者にとってかなり違和感のある作業。

慣れるまでにかなり時間がかかり、残念ながらペンタブは購入したものの途中で挫折してしまう人も多いようです。

では、初心者向けにはどんな練習方法が向いているのでしょうか。

線を描くだけの描画練習

初心者向けのペンタブ練習方法を紹介しましょう。

まず、画面いっぱいに、長い横線を引きます。

なるべく傾きがない、水平に近い線です。

これを、何本も何本も、画面幅いっぱいの長さで描きます。

線と線の間隔は、画面上で2~3センチメートル前後が良いでしょう。

それらの線はきれいに平行である必要はありませんし、間隔もだいたいで構いませんが、あまりに斜めだと上や下の別の線にぶつかるので、他の線に接触しないように描いてください。

次は縦線を引きます。

画面の縦幅いっぱいに、なるべく垂直な長い縦線を引きます。

先ほど描いた何本もの横線と、直角に交わるように、まるで碁盤の盤面のような模様を描いていきます。

縦線の場合にも横線と同じ程度の間隔を確保するようにして、できるだけ垂直に描きます。

これで「碁盤の目」が完成しました。

最後に、縦線と横線が交差する点を、ひとつひとつ丸で囲んでいきます。

ここまでで画面の上には、縦線×横線の数の、多数の「交差点」ができていますので、それらひとつひとつの交差点の上に、小さく丸を描いていくのです。

丸はできれば右回りで描くものと左回りで描くものを交互に繰り返します。

この描画練習は、筆運びの基礎力を身に付けるのに有効

以上の初心者向け練習方法は、縦・横、右回り、左回りと、多くの筆運びに手と手首を慣らしてゆくための練習方法であり、基礎力を身に付けられます。

更にこの描画練習方法の利点は、「上手・下手がほぼ関係ないこと」にあります。

いきなり人物や風景の絵を描こうとしても、まず思うように描けないものです。

慣れないうちは特にそうで、はっきり言って「下手な絵」に見えてしまうのです。

ペンタブレット使用に慣れた人でさえ、上手に描けないとそれだけでその後のやる気が削がれてしまうもの。

初心者ならなおさら下手さが目についてしまって、挫折したくもなることでしょう。

そこで、縦横の線と丸だけの練習であれば、多少のゆがみはあっても許容範囲であり、上手・下手は関係ないのです。

上級者向けの練習方法は

ある程度使い慣れた人、あるいは上級者であれば、マニュアルに沿ったような練習方法は特にありません。

強いて言うならば「繰り返し絵を描く」のみ。

練習だからキレイに描く必要はありませんが、その分手を慣らすために数多くの絵を描くのが重要、としか言えません。

インターネットを検索すると、「使いやすい筆圧」「長い曲線を描きやすいストローク調整値」などが紹介されますが、それらはあくまで紹介する人が個人的に使いやすい値であるに過ぎないことが多々あります。

自分に適した筆圧や太さやストローク調整を探すためにも、「まずは描き慣れておく」くらいしか方法はありません。

別に絵の先生や本の著者でもなければ、人に紹介する必要はありませんので、自分なりに適した環境を探したいものです。

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芯が磨耗しメンテナンスが必要となる理由

「ペンタブレットの芯は消耗品である」と聞くと、特に初心者は驚くようです。

鉛筆やクレヨンとは違って、芯そのものが紙の上に絵として残る訳でもないのに、それならなぜ芯は消耗品なのでしょうか。

ペンタブの芯も磨耗します。

その理由は、タブレット盤面を保護するために、芯はもろい素材で製造されているからです。

この特徴を知った上で、ペンタブレットを長く使い続けたいものですね。

芯が磨耗しやすい理由

タブレット本体の盤面は、ペン運びの位置情報だけでなく、動かす速度や筆圧をも検知するために、とても精密な機構となっています。

その上から描画のためにペン先をこつこつと当てられる訳ですから、もしペン先が硬いと、デリケートで精密な盤面にキズが付いてしまいます。

そこで対策として、芯をわざともろく作ったのです。

芯をわざともろく磨耗しやすい素材で作ったことによって、ペン先が当たっても盤面へダメージをあまり与えないような関係としているのです。

なので、ペンタブ使用頻度にもよりますが、2~6ヶ月ごとに交換しないと、筆圧検知が甘くなるなどして、次第に描き味が落ちてしまいます。

ペン先の交換は面倒ですしコストもかかるので、何とかならないかと悩む人も多いことでしょう。

芯の交換頻度と芯のカスタム

ペンタブに慣れた方であれば、描画ソフトで筆圧等を変更するだけでなく、物理面で芯を交換する方もいます。

例えば、磨耗しにくいステンレス芯が、公式あるいはバルク品などで販売されています。

ステンレス芯は金属でできているため、数年使ってもなかなか磨耗はしません。

通常のペン先より5倍ほど高額なのですが、それ以上の長期に渡って使える芯なので、コストパフォーマンスは高いでしょう。

ただし、タブレット盤面をキズ付けてしまう可能性が高いので注意。

そこで具体的な対策として、タブレットの盤面の上に紙を敷いて、その紙の上から描画するのがおすすめです。

紙は、普通のコピー用紙で全く構いません。

紙を1枚敷いてその上からペンタブのペンを動かすことで、ペン先には適度なざらざら感が得られ、むしろ実際のペンに似た書き心地が再現されているので描きやすいと、好評の口コミさえあります。

変わったものでは、パスタを使うというカスタムもWebで紹介されています。

芯の代わりに、芯の長さに折った茹でる前のパスタを、ペン先へ差し込むという方法です。

使っている人によれば、純正の芯のもろさが再現されている上に、とても安価だというメリットがあるそうです。

しかし、パスタは確かに安価ですが、かなりもろすぎて危険ですね。

ペン軸の中で折れてしまうと取り出せなくなるので、取り返しの付かない故障につながるおそれがありますのでおすすめはできません。

まとめ

ペンタブレットを使いこなすための練習は、効率的に行いたいですよね。

ただやみくもに落書きを重ねて練習するのではなく、機種や使用ソフトウェアの選び方、日々の練習方法、更に盤面に紙を敷いておくなどの小技を知っておいて練習することで、いくらか効率の良い練習ができるはず。

せっかく買ったペンタブを活用できるよう、また新しいペンタブに早く慣れることができるよう、基礎知識を身に付けた上でスタートしたいものです。