液晶モニタだけ良くても意味がない?モニタはパソコンの性能と併せて選ぼう!
できるだけ綺麗な映像をパソコンで楽しみたいときにより解像度の高い液晶モニタを選ぶことは重要です。
ですがいざ液晶モニタをパソコンと接続し映像を楽しもうとしたとき、思わぬ現象に遭遇するかもしれません。
画面がコマ落ちのように動いたりときにはフリーズしてしまう可能性もあります。
今回はそうした現象を引き起こさないよう、液晶モニタとパソコンのスペックの関係についてみていきましょう。
映像を処理するのはパソコン
DVDプレイヤーやブルーレイプレイヤーをテレビと接続して映像を楽しんだり、家庭用のゲーム機で高画質なゲームをテレビで楽しんだりする場合には自覚し難い要素が隠れています。
それは「何が映像を処理してテレビ画面に映しているのか」という点です。
こうした家電はそれぞれが用途に適した性能を有しているため、特に何も問題なくシンプルに綺麗な映像を楽しめるように作られています。
そのため何がどう映像を処理しているかを認識し辛い環境が作られているといえるでしょう。
そうした状況に反してパソコンには様々な性能のものが存在し、必ずしも映像を処理できる性能は保証されていません。
もし映像を処理するほどのスペックがないパソコンで無理矢理映像を再生しようとすると、コマ落ちやフリーズすることになるでしょう。
家電のように映像を楽しむためのスペックが保証されていないという点には注意が必要です。
映像に関するパーツは多い
パソコンに組み込まれているパーツの中で映像処理に最も大きな影響を与えるのは「グラフィックボード」と呼ばれるものです。
これは映像を高速かつ大量に処理できるパーツで、価格帯は低いものは数千円から高いものなら10万円を超えるものもあります。
高画質な映像を楽しみたいなら10万円近辺クラスの製品を取り付ければまず大丈夫でしょう。
反対に1万円程度のグラフィックボードであれば映像は綺麗であってもコマ数は落ちると考えた方が良いかもしれません。
グラフィックボード以外にはあらゆる計算を行うCPUや処理中のデータを溜め込むメモリ、それから大容量のデータを保管できるSSDやHDDといったパーツも影響を与えるかもしれません。
そのためCPUはできるだけ新しく性能の良いものを、メモリは大容量で新しいものを、データを溜める場所はSSDをそれぞれ用意すると良いでしょう。
ただこうなると総額はうなぎのぼりとなり、かなりの出費を伴うことになるはずです。
モニタの解像度が上がれば処理は膨大になる
液晶モニタは画素と呼ばれる点が縦横に整列した機械です。
そして画素の数は解像度という単位で表されています。
例えばフルハイビジョンといわれている液晶モニタの解像度は1920×1080となり、その比率は16:9で画素数は2,073,600なのです。
1つの画面に200万個以上の点が集まっているということになります。
そしてハイビジョンの液晶モニタを接続したパソコンでは常時この200万個の点に対して処理を行わなければなりません。
一般的な液晶モニタは60Hzで駆動しているのですが、これは「秒間60回画面を書き換える」という意味になります。
そのため1秒あたり2,073,600個×60回=124,416,000個の画素が更新されているのです。
1億2千4百万個の画素が毎秒パソコンによって処理されているというのは膨大すぎて想像しにくいかもしれません。
この液晶モニタの画素数が多くなればなるほどパソコンには負担がかかるようになります。
4Kの液晶モニタの場合は4096×2160=8,847,360個の画素があり、60Hzの場合には60をかけた値である530,841,600個の画素を処理することになるわけです。
5億3千万個の画素となると約4.28倍程度の処理量となります。
シンプルな処理の負担の考え方
ハイビジョンの液晶モニタと4Kの液晶モニタではおおよそ4.28倍ほどの画素数の差となりました。
ということは4Kの液晶モニタを満足して使うにはハイビジョン時の4.28倍の性能が必要と言うことです。
もしハイビジョンの液晶モニタを使っていて、そのまま4Kモニタに換装するというときには注意しておかなければなりません。
それこそ1/4.28倍の性能を発揮してくれなくなる可能性があるのです。
ただこうして画素数から考えるとパソコンに必要なスペックも簡単に分かります。
現在使用しているモニターと買い換えたいモニターの画素数を求め、それを比にして考えてみましょう。
もし現状の映像と同じぐらいぬるぬるに動いて欲しいなら、その比で求めた値に耐えうるようなスペックのパソコンにしましょう。
きちんと設定すれば大丈夫
もしパソコンのスペックが液晶モニタのスペックに追いついていない場合、大きなストレスとなるでしょう。
映像もゲームもカクカクしてしまい何一つコンテンツを楽しめないかもしれません。
ですが諦めるのはまだ早いです。
そんなときは解像度の設定をチェックしましょう。
実は液晶モニタの解像度についてはパソコンを介して自由に設定することができたりします。
そのため現状の解像度が高すぎるなら設定で解像度を下げてしまえば良いのです。
高い解像度のモニタを使っても問題ない
パソコンで解像度を設定することができるので、実は解像度の高い高価な液晶モニタを導入することには特にデメリットはなかったりします。
むしろ大は小を兼ねるという言葉もあるように、適宜解像度を上げることができるという利点があるほどです。
例えば現状ではまだ十全に綺麗な映像を楽しめるほどのパソコンのスペックがなかったとします。
それでも適宜パーツを導入したり換装していったりすれば、次第にパソコンのスペックは上げられるのです。
そしてスペックを高めていくときに適宜解像度を上げていけば徐々に綺麗な映像を楽しむことができるようになるでしょう。
唯一の問題といえば高い解像度の液晶モニタは高価であるという点です。
またパソコンのスペックを上げることも考えると総額もお高いものとなります。
全体のコストについてはよく考えておきましょう。
Hzの高いものを選ぶとより美しい
先述したように液晶モニタには「Hz」という「秒間あたりの画面を買い換える回数」が設定されています。
これは画面の滑らかさを決定つける単位でもあるため、きちんとチェックしておきましょう。
例えば1秒間に1回しか画面を更新できない場合、何をするにしてもコマ送りのような映像になるはずです。
それに反して1秒間に100回も画面が更新できれば、非常に滑らかに画面は更新するようになるでしょう。
このように、Hzは高ければ高いほど良いものなのです。
一般的にはHzは60に設定されていますが、近年ゲーミングモニターという名前で144Hzで駆動するものも販売されるようになりました。
より美しい映像を見たいなら144Hzでできるだけ解像度の高いものを選ぶと良いでしょう。
スペックはとにかく良くしよう
一般的な液晶モニタは60Hzですが、144Hzとなると秒間辺りの負担は2.4倍ほど高くなります。
ということはパソコンのスペックも2.4倍のものを用意しなければ144Hzの世界は十分に味わえないということなのです。
より良い映像にはより良いスペックのパソコンが必要となるので、より性能の高いグラフィックボードの導入も検討することをおすすめします。
まとめ
液晶モニタとパソコンのスペックの関係についてみてきました。
映像処理はパソコンで行われるので、もし美しい映像を見たいなら液晶モニタだけでなくパソコンのスペックも上げましょう。
特に4Kの映像を処理するにはかなりの高スペックなパソコンが必要となるはずです。
また144Hzの液晶モニタを使う場合もパソコンのスペックが要求されることになります。
液晶モニタを選ぶ際はより性能の良いグラフィックボードに換装することも検討すると良いでしょう。