デジタルイラストを制作のためのツール「液晶ペンタブレット(液タブ)」の基本情報や選び方
現在のイラスト制作やアニメ制作はデジタル化が大きく進んできており、プロではなくてもパソコンのソフトなどでデジタルイラストを制作している方も増えていると思います。
そんな中で、デジタルイラストを制作する機器として液晶ペンタブレットなどがあり、プロのマニメーターやイラストレーターなどにとっては必須アイテムの一つとなっています。
また、趣味で液晶ペンタブレットを導入しようと考えている方もいると思いますので、この記事では液晶ペンタブレットの基本情報や選ぶ際のポイントなどについて紹介いていきたいと思います。
>>私が絶対おすすめする液タブ・ペンタブランキングはこちら
液晶ペンタブレット(液タブ)の基本情報
液晶ペンタブレット(液タブ)は、デジタルイラストを制作するツールとしてアナログで言うペンと紙の役割を持つ入力機器となっています。
そんな液晶ペンタブレットについて、まずは液晶ペンタブレットの基本的な情報から紹介いていきたいと思います。
液晶ペンタブレットとは
液晶ペンタブレットは、簡単に紹介すると液晶ディスプレイに専用のペンを直接あてることによってイラストなどを描くことができるデジタル機器となっています。
この液晶ペンタブレットの特徴は、描いたものが手元の液晶ディスプレイに映しだされますので、実際の紙とペンで描くのと同じような感覚となっているため、アナログからデジタルに移行する際に違和感が少なくて済みます。
類似製品との違い
デジタルイラストを描く場合、液晶ペンタブレットの他に板ペンタブレットという製品があります。
板ペンタブレットは、タブレット部分に専用のペンで描く方法なのは液晶ペンタブレットと同じなのですが、液晶ペンタブレットと違って板ペンタブレットは別のモニタに反映させて表示する製品となっていますので、同じ目的のデジタル製品でも使い方に違いがあります。
そのため、使用した感覚にも大きな違いがあり、手元に表示されない板ペンタブレットは慣れるまでに時間がかかってしまう傾向にあります。
液晶ペンタブレットが向いている人
デジタル機器でイラストを描くものとして、液晶ペンタブレットの他に板ペンタブレットがあることは上記でも紹介しましたが、板ペンタブレットの場合はモニタを見ながら描いていくようになりますので、手元と視線が離れてしまいます。
そのため、操作が上手くできなくてイラスト制作が進みにくく、また満足のいく仕上がりにならないという方が非常に多くなっていますし、操作に慣れることができなくて挫折してしまう方も少なくありません。
一方、液晶ペンタブレットの場合はモニタと手元の視線が同じとなっていますので、手元の感覚とモニタに描かれる感覚をすり合わせる必要が無いに等しく、ペンと紙のようなアナログ作業と同じ感覚で制作することができます。
従って、液晶ペンタブレットは紙とペンを使った慣れ親しんだ方法でデジタルイラストを制作したいという人におすすめとなっており、また手元と視線を離して作業を行うことが苦手という人に向いたデジタル機器となっています。
>>私が絶対おすすめする液タブ・ペンタブランキングはこちら
液タブを使用する前に知っておきたいポイント
液タブを使用することによるメリットは、紙とペンで描くアナログ的な方法と同じような感覚で制作することができるという点となっており、デジタルイラストを制作するツールとしては非常に便利なイメージが強い方も少なくないと思います。
しかし、液タブにもデメリットと言える部分もありましので、購入する前にはマイナス部分もチェックしておきたいところです。
そこで、ここからは液タブを使用する前に知っておきたいポイントを紹介していきます。
液タブのデメリット
液タブを使用することによって考えられるデメリットは、製品の性質によるものが複数考えられます。
その一つは、液タブ自体が発熱して作業中に手汗をかきやすいのが難点の一つとなっており、手汗などによる汚れが気になってしまう可能性がありますし、画面に傷がつきやすくなっていますので、余計に汚れや傷が気になりやすくなってしまいます。
また、傷や汚れを含めた原因によって故障してしまった場合、モニタも兼用している構造となっている液タブは板タブと比較して故障の対応が難しくなっています。
さらに、手元に液晶モニタがある液タブの場合、作業中はモニタを凝視し続ける機会が多く、人によっては画面と近距離でデジタルイラストを制作する場合もあると思います。
そのため、目に負担をかけて疲労が溜まりやすくなってしまいますので、長時間の作業には不向きとなっているもの難点の一つとなっています。
その他には、コストパスォーマンスは省いて考えると、板タブと比べて液タブの方が価格が高い場合が多くなっていますので、初期費用の負担が大きくなってしまうのもデメリットの一つと言えます。
液タブのデメリットを踏まえた上での対応策
上記では液タブのデメリットについて紹介してきましたが、使い方や工夫次第ではデメリットを十分に補うことが可能となっていますので、ここからは個別に分けて対応策を紹介していきます。
●目の疲労
液タブを使用する場合、モニタと目の距離が近くなってしまいがちですので、長時間の使用は目に負担がかかって疲れやすくなってしまいます。
この目の疲労に関する対応策は、30分~1時間の作業を行ったら休憩を挟むようにし、時間を区切ってリフレッシュすることが大切です。
また、液タブのモニタにはブルーライトが使用されており、それを見ているだけでも目が疲れやすくなってしまいますので、ブルーライトをカットする眼鏡などを着用しながら作業することで目の疲労を軽減させることも可能となっています。
●制作中の手汗
液タブで作業を行う場合はタブレットに手が直接触れますので、作業しているうちに手汗をかいてしまう方もいると思いますし、暑い時期は作業自体に支障が出てしまう可能性もあります。
このような場合の対応策は、漫画家の中にも使っている人を見受けられる指ブローブが液タブの作業にも効果的となっており、手汗対策の他にもモニタ上で手がスライドしやすくなりますので、作業効率の向上と汚れ防止など色々なメリットがあるのでおすすめです。
●液晶モニタの傷
液タブは液晶モニタに直接描いていきますので、力の加減によってはモニタに傷をつけてしまいます。
また、イラストなどを制作する場合は長時間の作業になってしまう場合が多く、さらに作業回数が増えることによってちょっとした傷は避けられません。
そんな傷が気になる場合は、液晶モニタにつけることができる保護フィルムを液タブと一緒に購入して使用することで対応することができます。
また、保護フィルムの中には液晶画面に光が反射することを防いでくれるものもありますので、傷対策とは別な要素でもおすすめとなっています。
液晶ペンタブレットを選ぶ際の基本的なポイント
液タブには様々なメーカーやモデルがあり、使いやすさや見やすさ、接続方法などに違いがありますので、その違いの中で自分に合った製品を選ぶのが一般的な考え方です。
そこで、ここからは一つの目安として液タブを選ぶ際の基本的なポイントについて紹介していきます。
使用可能条件
液タブには性能や価格の違いなどによって様々なモデルがあり、価格が安いモデルの中にはパソコンに接続した状態ではないと使用することができないものがあります。
パソコンがある自宅の部屋のみで使用する場合は問題ないのですが、一般的なタブレットのようにパソコンと切り離して使用したいという場合はOSが入っているモデルを選ぶ必要があります。
接続端子の確認
価格的な要因もあり、液タブはパソコンと繋げて使用するタイプが主流となっていますので、購入しようと思っている液タブがどの接続ケーブルに対応しているのか確認しておく必要があります。
パソコンによって対応する端子がない場合もありますし、液タブに多く見られるHDMIによる出力が可能な状態に準備しておくことも大切です。
HDMI接続ができないパソコンをお持ちの場合は、変換アダプターを使用することによって接続することができます。
対応しているOSを確認する
Windows7やWindows10などのパソコンにおける基本システムであるOSは、最近のOSの場合は液タブの動作に問題が生じることは少ないのですが、念のため事前にチェックしておくことで安心感が高まります。
さらに、イラスト制作に必要なペイントソフトの対応しているOSとパソコンのOSも確認しておくことで不具合が生じる恐れを少なくすることができます。
液晶のサイズを確認する
液タブを選ぶ際に必要な項目として挙げられるのが液晶のサイズとなっており、モニタの上に手を添えた状態で描くことが多いことを考えると多少大きめのサイズの方が制作しやすくなっています。
しかし、液タブのサイズは作業をする机の幅や奥行きも想定して選ぶのも大切なポイントの一つとなっており、自身の作業スペースがどのサイズが適切なのかを事前に測っておき、それを踏まえた上で扱いやすいサイズ感のものを選ぶようにすることをおすすめします。
タッチパネルの有無や性能
液タブの操作に関わる項目でタッチパネルの有無や性能には個人差があり、マルチタッチが採用されている製品も多くあるのですが、価格的には割高になってしまいます。
マルチタッチ機能が必要ないと思った場合は、マルチタッチ機能が無いものを選んだ方が価格的に得をすることになります。
ちなみに、マルチタッチ機能がついている製品でもほとんどのモデルはONとOFFの設定ができますので、マルチタッチ機能に煩わしさを感じることはありません。
液タブの価格
液タブの価格は、機能性や性能、サイズ、メーカーなどによって違っており、それに加えて年式などが関係してきて型落ちの製品は若干割安になっていきます。
それでも以前までは高価なデジタル製品でしたので、気軽に購入できるものではなかったのですが、最近では中国メーカーの登場によって液タブの価格が下がり、その影響は他のメーカーにも及んでいます。
しかし、液タブの価格には大きな幅があり、中国メーカーなどの安い製品は約2万円~3万円程度のものがありますし、メーカーやサイズによっては20万円以上の製品もあります。
これは予算的な問題と機能性や性能、サイズ、メーカーなどのこだわりを天秤にかけて考慮するのが一般的だと思いますので、より多くの製品をチェックして自分に合った価格帯の中でコスパの良い製品を選ぶようにすることがおすすめです。
まとめ
液晶ペンタブレットの市場で中国メーカーが登場し、比較的に低価格な製品が発売されていることを紹介していき、液晶ペンタブレットを初めて購入するという方にとっては価格的なメリットは確かにあります。
しかし、海外の製品には母国語の説明書しかないものがあり、元々が液晶ペンタブレットに詳しくない状態で説明書の内容も理解できないと性能をフルに活かせない可能性もありますので、性能やサイズ、価格以外にも日本語の説明書付きなどの情報は事前に確認してから購入するようにしてください。
参考URL・参考文献・根拠など
https://digital-illust.com/lc-pen-tablet/