Illustratorでデータを入稿する時は

2016年10月13日デジ絵ソフトウエア

Adobe Illustrator CC|12か月版

Illustratorで作成したデータを、印刷会社等にいざ入稿しよう!となった時、最終的にチェックしなければならない事がいくつかあります。

正しく入稿されていないと再入稿することにもなりますし、印刷されてみてから「こんなハズじゃなかった!」という事にもなりかねません。

入稿のルールは、会社や媒体によってそれぞれですが、基本的なチェック項目をいくつかご紹介したいと思います。

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フォントについて

いま、フォントのバリエーションもかなり増えて、フリーで使用できて高品質なものも、手軽に手に入るようになりました。

個人サイト等からフリーでダウンロードしたものに関しては、商用利用可能か、もしくは個人使用のみ可能か等、使用の範囲を確認する必要があります。

購入したフォントですと、モリサワやフォントワークス等を使用している会社も多いかと思います。

印刷会社がフォントを持っている可能性も高いかと思いますが、入稿の際は念のため確認した方がいいでしょう。

印刷会社で持っていないフォントを入稿してしまうと、フォントを立ち上げることができず、文字化けしてしまいます。

また、会社によっては、フォントはすべてアウトラインしてください、と言われる事もあります。

アウトラインだと、文字がすべてオブジェクトとして扱われるので安心ですね。

しかし、文字を修正したい時、後戻りできなくなってしまうので注意が必要です!アウトライン前のデータも別で保存するのがおすすめです

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画像のリンク

画像を配置している場合、うっかりリンクが切れたまま入稿してしまわないよう注意しましょう。

「ウインドウ」から「リンク」パレットを表示します。

リンクが切れていると画像の横に赤い「?」マークが表示されます。

リンクパレットの右上のプルダウンメニューから「リンクの再設定」を選択して、画像のリンクをつなぎ直しましょう。

そして、フォルダを作って画像も一緒に入稿しましょう。

もしくは、必要ならば、先ほどのプルダウンメニューから「画像の埋め込み」を選択しましょう。

Illustratorに画像そのものが埋め込まれれば、リンクは関係なくなるので、この方法はおすすめです。

(しかし極端に大きな画像は、データが重くなるので注意しましょう)

オーバープリントの確認

オーバープリントは、色や写真等の上から、オブジェクトや文字を乗せる時の処理方法です。

意外と大きなミスに繋がりやすいので、必ず確認していただきたい項目です。

通常、オブジェクトを重ねる時は「ノセ」と「ヌキ」があります。

「ノセ」は透明効果の「乗算」に似ていて、2枚の色のフィルムを重ねたような処理になります。

これはオーバープリントをONにした時です。

例えば、背景の上に白い文字を重ねていて、白い文字に対してオーバープリントがONになっている場合、印刷された時、文字が消えてしまいます。

白は「紙の色」として認識されるので、「紙の色を重ねる事」=「透明のフィルムを重ねる事」になってしまうのです。

墨文字の処理について

ブラック100%のオブジェクトは、オーバープリントが自動的にONになるように設定されている印刷所も多いです(Illustrator上での設定のON/OFFに関係なく)。

もし、黒い文字を「ヌキ」にすると、フィルムを重ねない事になるので、版ズレが起きた場合に、文字と背景の間に白い隙間ができてしまう可能性があるのです。

しかし、小さい墨文字には良いのですが、大きな墨文字を「ノセ」にすると、文字に背景が透けて見えてしまう事もあります。

これは、印刷所の「ブラック100%=オーバープリントONにする」という設定から、そうなってしまうので、ブラック100%の文字にシアン3%をプラスするだけでも解決する事ができます。

ブラック以外はオーバープリントOFFに

作業中、安易にオーバープリント設定を変えてしまうと危険です!

上記のように、印刷してみたら文字が無くなっていたという事も起こりえます。

オーバープリントになっていないかチェックするときは、Illustratorの「ウインドウ」メニューから「属性」パレットを表示します。

オブジェクトを選択し、「塗りにオーバープリント」「線にオーバープリント」にそれぞれチェックが入っていないか確認しましょう。

他のチェック法もあります。

「表示」メニューから「オーバープリントプレビュー」を選択し、チェック前と相違がないか確認することもできます。

インク使用量が多すぎないかどうか

新聞等の媒体だと、インクの総使用量が多すぎると、印刷する紙の性質上問題が起きるため、インクの量を制限しているところも多いかと思います。

総使用量については媒体によって差があるかと思いますが、おおむね300%前後に抑えられていればOKというところが多いです。

でも、念のため印刷所に確認しましょう。

PDFに書き出すとラクにチェックできます。

1.Illustratorの「保存」ウインドウで、「フォーマット」を「Adobe PDF」にします。

2.保存したPDFをAcrobatで開きます。

3.「アドバンスト」→「印刷工程」→「出力プレビュー」でウインドウが表示されます。

ここで「プレビュー:色分解」が選択された状態で、「領域全体をカバー」にチェックを入れます。

横にあるプルダウンメニューで、300%、カラーを赤に設定すると、インキの総使用量が300%を越えたところが赤で表示されるしくみになっています。

パーセンテージも警告色も、自分で設定できます。

特色を使っていないか

CMYK以外の色を使っていると、データを再入稿しなければならないケースもあります。

もちろん、鮮やかさを出す為にわざと特色を使う場合もあるので、要確認です。

今回は間違えて使われてしまっている場合です。

なにかの拍子で特色を使ってしまった場合、オブジェクトを選択した状態でカラーパレットを見ると、「DIC○○○」等と表示されてしまう場合があります。

クライアントさん等からデータを受け取った場合は特に注意です。

ロゴやキャラクターのイラスト等には特色が入っている事が多いです。

特色をCMYKに変換しましょう

1.確認するにはまず、「スウォッチ」パレットの右上のプルダウンメニューから「未使用項目を選択」で、不要なスウォッチを捨てます。

2.スウォッチパレットに特色のマーク(白いタブのような印が出ます)が残っていたら、ドキュメントのどこかにまだ特色が使われている事になります。

3.スウォッチパレットの特色をダブルクリックします。

すると「スウォッチオプション」ウインドウが表示されますので、「カラータイプ」を「プロセスカラー」に選択しなおしましょう。

これでCMYKカラーに変わります。

※オブジェクトがあまりに複雑な場合は、全選択をしてから、「編集」→「カラーを編集」→「CMYKに変換」をすると一気に変換できるのでおすすめです。

まとめ

媒体や印刷会社によって、入稿のルールは異なるので、確認をとるのが一番安全で安心ですが、上記の項目は、どんな時でもほぼ共通でチェックする必要最低項目なので、仕上げの際は気にしておいた方がいいかもしれません。

Illustratorで作業する際に、きれいにデータを作っておくと、後々面倒な事にならないですし、引き継ぐ場合もスムーズで、みんなが快適に仕事できますよ。




2016年10月13日デジ絵ソフトウエア