illustratorでルビ(送り仮名)を振りたいときは

2016年10月11日デジ絵ソフトウエア

Adobe Illustrator CS4 (V14.0) 日本語版 Windows版 (旧製品)

illustratorで作成した文章だと、ルビを設定する機能がなくて困ったという方は多いと思います。

「割注」機能を使えば、意外と簡単にルビは作れます。

細かい設定もできるので、使いこなすといろいろな応用ができますよ。

スピーディに、スマートにルビを作成できるとillustratorがもっと楽しくなりますよ。

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割注機能を活用しましょう!

あまり馴染みのない機能かもしれませんが、illustratorの「割注」機能は、ルビを設定するときとても便利です。

これを使ってルビをふりたいと思います。

1.まず、ルビをふりたい漢字の前に、読み方を入力します。

例えば「子守熊」にルビをふりたいときは「コアラ子守熊」となるように入力します。

ここでは試しに16ptで入力します。

2.ルビと漢字両方を選択した状態(先ほどの例ですと、「コアラ子守熊」の文字を選択します)で、「文字ツール」

「右上のプルダウンメニュー」

「割注」をクリックします。

3.「コアラ子守熊」が、小さな文字で2行になって表示されます。

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ここから、詳細な設定をしていきます

4.漢字の部分「子守熊」のみを選択して文字の大きさを、もとの2倍の32ptに設定します。

5.続いて「子守熊」のみを選択したまま、ベースラインシフトをマイナスにして、ルビと重ならないように調節します。

(-3Hくらいがおすすめです)※ルビと漢字の改行位置が上手くいかない場合(「コアラ子/守熊」というふうに改行されてしまったりします)は、ルビの「コアラ」のみを選択し、カーニングで字間を調整しましょう。

字間を開けたくないときは、「(スペース)コアラ(スペース)」というふうに、前後にスペースを入れてみましょう。

ルビの位置を整えます

「文字」ツールのプルダウンメニューに「割注設定」という項目があります。

「コアラ」の部分のみを選択した状態で、これをクリックします。

表示されたウインドウに「行揃え」という項目がありますので、ここから好きな位置を選べます。

左揃えか、中央揃えが一般的に多いかと思います。

プレビューのチェックを入れながら、調節てみましょう。

OKボタンで完成です。

※力技になりますが、項目【4】で文字を2倍の32ptにしましたが、文字の水平比率・垂直比率でしのぐ方法もあります。

「文字ツール」の「水平比率」と「垂直比率」をそれぞれ200%に設定します。

すると、数字上は16ptを保ったまま、見た目は32ptになります。

ベースラインシフトを調整する必要はありますが、これなら、文章を全選択しても16ptのままです。

「あとで文章のサイズを一気に変えたくなるかも」と思ったときは、こちらの方が、後々ラクだと思います。

ルビのほうが長いとき

「子守熊」は先ほどのような設定できれいに収まりますが、「芍薬(しゃくやく)」等のようにルビの方が長くて文字よりルビが飛び出てしまうときも多いかと思います。

割注設定で中央揃えにしてもOKですが、文章中に「芍薬」が出てくる場合は、その前後の文字間が開いてしまいます。

ここでさらにルビの「しゃく」の部分に長体をかけるのがおすすめです。

「文字ツール」の「水平比率」を80〜90%くらいにしてみると隙間がなくなり、綺麗に収まると思います。

モノルビとグループルビ

書籍によってルビのルールは異なりますが、多くの場合、先ほどの「子守熊(コアラ)」のように、3文字全体で熟語のようになっている場合は、ルビの「コアラ」は「子守熊」の3文字の中央に配置され、全体で「コアラ」と読めるようになっている事が多いでしょう。

これをグループルビと呼びます。

反対に、2つめの例の「芍薬(しゃくやく)」のように「芍(しゃく)・薬(やく)」というふうに、1文字ずつ別々にルビが配置されている場合、これをモノルビと呼びます。

グループルビなら、これまで紹介してきたillustratorの「割注」でクリアできると思いますが、モノルビだと違う方法がおすすめです。

モノルビは素直にボックスを分けるほうが安心

たとえば「東京都(とうきょうと)」のように、ルビを「東(とう)・京(きょう)・都(と)」と細かく分けなければならない場合、先ほどのやり方だとちょっと混乱します。

「きょう」の水平比率を変えて、「と」の前にスペース入れて…と作業していたら、意外にいい位置に来てくれない!

と困る事も多いかと思います。

データがどんどん複雑になっていきます。

(カーニングやトラッキングも多用しすぎると、後々他の人がデータをさわる可能性がある場合、ミスのもとになりかねません)なので私は、潔く文字ボックスを分ける事をおすすめします。

細かい設定が出来るillustratorなら、ルビの配置も自由が利きますし、文字ボックスとルビのテキストをグループ化するなどして、ルビが行方不明にならないようにしてあげると安心ですよ。

まとめ

ルビはとても細かいところではありますし、地道な作業ですが、illustratorの「割注」機能で、きれいに仕上げると全体の印象が変わります。

ルビの大きさを調整したり、文字の太さをかえたりすると、ぐっとアカ抜けた印象になりますよ。

私は、ルビのルールがよくわからなくなったら、小説や雑誌を開いてあれこれマネしました。

行間とのバランス、文章の邪魔をしないちょうどいい大きさ…いろいろ試して研究してみてくださいね。




2016年10月11日デジ絵ソフトウエア