ペンタブレットの性能を最大限に引き出す初期設定について
デモ製品や借りたペンタブなどを試したときに、「なんだか描きづらい」と感じたことはありませんか?
ペンタブレットを新しく手に入れた場合、必ずその人にあった初期設定をするのが肝要です。
ここでは、その初期設定の必要性とワコム各製品のドライバ上の設定、有名ペイントソフト上での設定を各々紹介していきます。
ワコム公式サイトでも紹介されていますが、お困りのかたは是非ご覧ください。
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目次
何故ペンタブ購入時に設定が必要なのか?
紙に筆記する用品は、その数や目的別に多数発売されており、試し書きで納得すれば持ち帰ってすぐ使うことができます。
ところが、ペンタブはそうはいきません。
国内シェアはワコム一強であるということも加えて、そもそもペンタブというのは
・ご使用のPC環境
・ご自身での初期設定
この2点を前提に作られているからです。
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店頭の製品お試しコーナーで「描きづらい」理由
ペンタブレットを複数種類取り扱っているお店では、たいていモデルの比較・描き心地の確認のためにデモ製品がならんでいます。
しかし、触ってみて
「何か違うな」
「描けるのは分かったけれど、本当に自分の思う通りの線がひけるの?」
と疑問に思ったことはないでしょうか。
そうです。
前述にもありましたが、店頭のデモ製品というのは「1人1人にあった設定がなされていない」からです。
人によって感想は異なりますし、デモ製品を触ったときの感触だけで購入の可否を決めるということがもしあれば、非常にもったいないこと。
以下には、これから買う人が十分に準備できるように・購入したあとの人も最適な状態で描画ができるような設定の仕方を紹介します。
設定はドライバ+各ペイントソフトの両方で
基本的に、ペンタブレットの設定は
・ペンタブレットについてきたドライバ上
・お使いになるペイントソフトの筆圧設定
この2点で行います。
設定の調整は定期的におこなうこと
ペンタブレットは触れるうちに磨耗し、筆圧やペンの持ち角も自然と変わってくるものです。
はじめに決めた設定のままでずっと使い続けられる人も多くいますが、できれば定期的に最適化してあげるのがよいでしょう。
Intuosシリーズでのドライバ設定
最新のドライバをインストールする
できれば、公式サイトから最新のドライバをダウンロードしましょう。
ここで気を付けたいのは、「なるべくペンタブレット接続前にインストールまで済ませてしまう」ことです。
ペンタブレットを接続してからだと、勝手にPCが適合するドライバを探しにいってしまうことも。
縦横比を画面とそろえる
画面とタブレットの領域を完全に対応させるための設定が、まず第一に必要になります。
これをしないと、
・実際には同じ長さの線を引いているのに、タテに描いたときとヨコに描いたときで長さが違う
等々、問題が起こることが。
そこで、ドライバがインストールできたら、ワコムタブレットのプロパティを開いてみましょう。
画面真ん中ほどにあるタブから、「マッピング」を選択します。
ここの「表示エリア」のところに注目しましょう。
チェックボックス「縦横比を保持」にチェックが入っていない場合、ここにチェックを入れて設定を保存しておきましょう。
これで、挙げたような問題は解決します。
線を入り・抜きを美しくする
ペンタブの筆圧設定の画面は、上記プロパティのタブ「ペン」をクリック・左半分にある項目です。
傾き感知とペン先の感触、などは字面そのものなのでわかりやすいですね。
そこで、「ペン先の感触」下にある「詳細設定」に入ってみましょう。
この項目、実は線の入り・抜きを決める項目になっています。
問題の項目は「クリック圧」。
ここを低の方向にスライドすると、ペンの微妙なブレが抑えられて、高級筆ペンのようなきれいな線が誰でもひけるようになります。
ただし、紙に描いたときの線の入り方、感触がお好みのかたには向いていないでしょう。
そんなときは、逆に「高」の方向へ設定を変えてしまうのもおすすめです。
Intuos Proシリーズのドライバ設定
基本的にはIntuosシリーズと同じ
設定の内容としては、同じ板タブであるIntuosシリーズとほとんど変わりません。
なので、Proシリーズのみに存在する設定を下記に紹介します。
Proシリーズのみにある設定
ペンタブレットのプロパティを開いたら、一番上にある「タブレット」の項目のなかから認識されている「Intuos Pro」の製品名をダブルクリックしましょう。
すると、タブレットモードをプルダウンで切り替えることができます。
解説すると、
・標準モード:筆圧感知レベルが1024
・文字認識モード:同上レベルが倍になるモード(2048)
この違いです。
文字認識モードであれば、Proの特徴である高感知・認識能力を存分に発揮することができるでしょう。
ただし、筆圧認識のレベルが上がればPCの負荷もあがる、という点については注意しましょう。
Cintiqシリーズのドライバ設定
デュアルディスプレイの設定が終わったら、Intuos Proシリーズにもあった筆圧レベルの設定に入りましょう。
Windowsの場合は筆圧レベル1024が初期設定
実はこの製品、MacOSとWindowsで初期設定が決定的に違う部分があります。
それが「筆圧レベル」。
Intuos Proシリーズでも紹介しましたが、こういたハイクラスモデルには「筆圧レベル2048」モードが当然存在します。
しかし、Windowsだと初期設定がエントリーモデル同様の「1024」の状態に。
これも前述で紹介した方法同様に、筆圧レベルの設定をあげましょう。
基本的にCintiqシリーズをお選びになった人は、デュアルディスプレイができる高スペック環境でのご使用を想定されているかとおもうので、筆圧レベルを上げてもPC動作に問題が起きるようなことはないでしょう。
是非実践してみてください。
CLIP STUDIO PAINTでの筆圧設定
ここからは、日本のアーティストに多く愛用されているペイントソフトごとのペン設定の解説になります。
このソフトの特徴は、筆圧設定画面にテストモードが実装されており、細かな調節を繰り返すのに便利なところ。
コマンドは
・「ファイル」メニューから「筆圧検知レベルの調節」
・「筆圧の自動調整」ダイアログが表示されたら、曲線グラフの定点を移動させて調節する
・「調節を行う」「調節結果を試す」を繰り返しながら線のクオリティを整えていく
たったこれだけです。
もともと、ワコムシリーズのタブレットに最適化されているソフトのため、同社製品をお使いのかたであれば相性問題などを気にする必要性もあまりないでしょう。
SAIでの設定
本来はペンタブレット全般に最適化されているソフトのため、特別な設定がいらないものとなっています。
まず、事前設定なしでSAIを使ってみて「筆圧が検知されていない」場合は次の項目を確認しましょう。
・「ブラシの太さのパレット」上の「詳細設定」をクリック
・「筆圧」の横にある「サイズ」にチェックが入っていない場合はここにチェックを入れる
このとき、「サイズ」の項目横にある「濃度」にもチェックを入れると、筆圧によって線の色の濃さも変化するようになります。
筆の抜きが紙に書いたように細くならない場合は、同項目上のほうにある「最小サイズ」を0%にしておきましょう。
まとめ
ワコム公式サイトから提供されているペンタブドライバは随時更新されており、設定項目が分かりやすく進化しつづけています。
また、各ペイントソフトも日本でのシェアを意識して、初めてのかたでも簡単に「個人のイメージに沿った線が引けるように」と配慮されています。
それでもやはり機械である以上、どうしても「なんだか描きにくいな」「直感的じゃないな」というトラブルには遭遇しがちなもの。
ここに挙げたことをご参考にしていただき、より快適なペンタブライフをお楽しみください。