抽象を具象にする力!デザインを学ぶには専門学校へ行こう!
私達の身の回りのものは全て何かしらのデザインが施されているものです。
人工物はもちろんのこと、自然物からもデザインを汲み取ることができるでしょう。
そんなデザインを操る仕事がデザイナーであり、デザイナーになるために行くのがデザインの専門学校です。
今回はデザインという言葉のもつ意味と専門学校のもつ価値についてみていきましょう。
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掴みどころのないデザインという概念
デザインというのは分かりそうで分かり難い、なかなか捉えどころのない概念です。
例えば美術品は間違いなくデザインされているものといえますが、日用品の鉛筆やコップにもデザインは施されています。
では子どもの作る泥団子や電話の途中に描く落書きはデザインされているのかというと、それもデザインに含めることはできるはずです。
つまるところ、私達がものを作る以上何かしらのデザインが入り込んでいるということができます。
また人工物ではない草木や昆虫、動物といった自然物に対してはデザインがないのか、というとやはりあるといえるでしょう。
生物の造形は合理的であることが多く、完全にランダムというわけではありません。
定義からデザインを考える
ここでデザインの定義をみてみると「機能や美的造形を考慮したもの」とのこと。
確かに美術品には美的造形が考慮されており、コップや鉛筆には機能が備わり、動物には生存のための機能と時には美的造形も備わっています。
では全てのものにデザインが備わっているのかというとやはり難しいところです。
デザインの無いものを考えるには定義を反対にしてみると良いのかもしれません。
すなわち「機能や美的造形を考慮していないもの」ということになります。
これは何も目的が無い無秩序なものを指すと考えることができるでしょう。
例えば砂を美的造形について思いを馳せずにそこらにばら撒いたとしたら、それは特にデザインとはなりません。
また単に機能を果たさない道具などもデザインとはいえないでしょう。
こうなるとアートの分野に足を踏み入れることになります。
もっと考えてみると「機能を果たさない道具」を作るためのデザインを考えることはできます。
またカオスに美的造形を求めるのであれば、前述した砂をばら撒いた状態もデザインといえるでしょう。
そのため、デザインというのは主観のあり方によって定まるものであって、外的なもの自体に言及した言葉ではないということになります。
何ともつかみにくい話ですが、デザインの定義をする際にはよくアートとデザインの比較が用いられるのでその辺りから再度確認していきましょう。
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デザインを客観的なものと考える
アートというと絵画や彫像、イラストなどを指す言葉ですが両者の違いを明確にする試みとして「客観的か主観的か」という観点から論じられることがあります。
そしてアートは主観的、デザインは客観的として考えられているとのこと。
例えばコップについてアートなものとデザインされたものを考えてみましょう。
アートなコップの場合、美的造形や自分の実現化したいことを最優先とするわけですから、機能性は欠落しても構いません。
1ミリメートルや100メートルのコップを作った場合、それをアートということはできます。
対してこのコップを客観的に考えたとき、果たして1ミリメートルや100メートルのコップが使いやすいかというと使い物にはなりません。
このとき、このコップは「デザイン的に劣っている」といえるのです。
機能を考慮したもの
ものを客観性という観点から見る場合、そのものの機能が重視されます。
先述した定義は「機能や美的造形を考慮したもの」とありましたが、一般的にはより「機能を考慮したもの」がデザインとして考えられている形です。
つまりどのようなものにもデザインは施されているものの、優劣が存在するということになります。
先ほど「機能を果たさない道具」のデザインについて述べました。
これは「本来果たすべき機能を果たすことができない」状態であれば悪いデザインといえるでしょう。
全然切れないハサミなどは悪いデザインの製品です。
また「機能を果たさない道具」として作られた道具の場合、より「機能を果たさない」なら優れたデザインとなります。
早稲田大学の建築学科では「役に立たない機械」を作るという試みがなされていますが、これもその一例といえるでしょう。
やや難しい話ではありますがデザインの概念は「機能を考慮したもの」といえ、優劣が存在すると結論づけられます。
多分野に渡るデザイン
職業としてデザインは様々なところで活用されています。
ファッションはもちろんのこと、商業アートやイラスト、アニメーションにインテリアから建築まで多方面に及んでいる形です。
様々な製品やパッケージ、家電や家具など私達の身の回りの人工物であればほぼ全てといっても過言ではないかもしれません。
そしていずれもその機能性には差があり、個人によっても使い勝手が異なるでしょう。
例えば一般的な机があるとします。
この机は特に特殊な用途に用いない場合は使いやすいものですが、小物を収納したかったり工作に使うにはやや不便といえるでしょう。
そうした用途で使う場合には小物を収容する棚を設置したり工作用の道具を陳列する場所を設けるなどすればより良いデザインの机となります。
このように、デザインは一般的な需要を満たすのはもちろん、ニッチな需要にも対応することができる力です。
適用範囲が広大すぎるのでイメージしにくいかもしれませんが、だからこそ専門学校に通う価値があるといえるでしょう。
あやふやな概念を明確にできる専門学校
専門学校では各学科によって様々な授業を実践形式で行っています。
そのため、デザインに対して抽象的な思いしか描いていないとしても次第に具体的なモノへと落としこむことができるようになるでしょう。
曖昧な概念を実際に固めていくために専門学校は大きく役立つはずです。
またデザインは単に機能美だけを追及するものではありません。
そうであれば工業製品で足りますし、全てのデザイナーは同じ効率的な製品を作りだすことになるでしょう。
デザイナーとしての価値には新しいモノを作り出すことや美的造形への配慮なども含まれているのです。
機能美を備えながら美的であり、かつ新しいというものを作るには下地が必要となります。
そしてそういった下地を学ぶのが専門学校なのです。
パソコン系の授業が充実
現在では何をデザインするにもパソコンを使うものです。
アートであれば手書きで構いませんが、機能的なものを作るにはパソコンを使った方が圧倒的に便利といえるでしょう。
仕事現場では同僚や先輩と協力する必要があり、協力するにはパソコンが必要ともいえます。
そのため専門学校ではパソコンソフトのIllustratorやPhotoshopはもちろん、デザイン業界でよく使われているIndesignといったものを学ぶことになるでしょう。
これらのソフトウェアを使いこなすことができれば就職にも有利になるはずなので、それらの授業はおすすめです。
資格支援にも注目
デザインにまつわる資格には色んなものがあります。
先述したパソコンソフトに関するものもあれば、色彩検定や建築士、インテリアコーディネーターなど様々です。
独学では難しい範囲の資格勉強をすることができるでしょう。
まとめ
デザインという言葉のもつ意味と専門学校のもつ価値についてみてきました。
定義の難しいデザインという言葉ですが、大まかには「機能を考慮したもの」と考えておいて良いでしょう。
ただ中心的にはその概念で良いのですが、加えて美的造形へ配慮することも忘れないようにするべきです。
専門学校ではデザインについてはもちろんですが、パソコンソフトの使い方や資格勉強を学ぶことができます。
実践的に学べるため、デザインについてより深く知りたいなら通う価値は十二分にあるといえるでしょう。