美術大学or専門学校?長所&短所の説明・著名デザイン専門学校2校の紹介
「まとまったお金ができたので、やりたいことを仕事にしたい」と、デザインの専門学校への入学を検討されるかたが増加の傾向にあります。
専門学校の数も多く・特徴も多種多様なので、いっそ総合的なことを学べる美術大学への進学のほうがよいのではないか?
という声も。
ここでは、美大・専門学校のそれぞれの性格と、名門デザイン専門学校2校のご紹介を行います。
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美術大学のメリット・デメリット
潤沢に予算がある・デザイナーとしての道を真剣に探りたい…人にとって迷いどころとなるのは、「美術大学と専門学校のどちらが良いのか」という点です。
確かに、有名デザイナーにはトップクラスの美大卒業者が多いのは事実。
まずは美術大学を選ぶ理由について解説します。
在学中に出来ることが多い
美大の場合、勉強できる科目の幅が限りなく広くなります。
建築や服飾デザインはもちろんのこと、絵画技術であれば基礎デッサン・色彩学から最難関とされる日本画まで、自由に勉強科目を選べます。
それだけではなく、語学・PCスキル・CADなどの就職後に役立つスキルまで身につけることが出来るので、人生の再出発をしたいかた・20~30代の間に進路転換したい人にはうってつけと言えるでしょう。
大卒資格を取得できる
言うまでもありませんが、4年生で卒業した場合は晴れて”大卒”となります。
大阪芸術大学など、一部学校では「2回生の時点で一定の単位数を取得すれば、希望することによって短大卒業資格を得ることができる」という制度も導入されています。
学歴重視のかたならば、専門学校よりも美大がおすすめと言えるでしょう。
費用が高い
問題となるのが、費用の高さです。
4年生で平均して300~400万円の学費に加えて、在学中に使用する教材・画材は全て実費。
専攻科目が絵画であれば、学費とは別に年間60万円近くもの費用がかかることも珍しくありません。
学費そのものについて言及すれば、トップクラスの専門学校でも、美大の半額程度。
その分勉強時間は圧縮され、濃密で忙しい日々を過ごすことになりますが、なるべく早くキャリアアップにつなげたい・生活費なども考慮して勉強したいという方には、専門学校がおすすめできます。
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専門学校のメリット・デメリット
次に、デザインに関する専門学校について解説します。
美大と比較すると、キャリアアップに直接つながる要素が多い・短期間でスキルを身につけられるのが特徴。
社会人のかたにおすすめする理由・懸念されることを述べていきます。
仕事をしながらでも通える
現在あるデザイン専門学校の多くが、夜間・通信併用・休日コースを用意しています。
本気で学びたい・短い時間で内容を圧縮して取り組みたいという方には、専門学校が断然おすすめと言えます。
また、受講日数によって学費を決める学校もあり、短期集中型で勉強したい人ほどコストを抑えられる…というメリットもあります。
向き不向きが分かりづらい
問題となるのが、専門学校ごとにアクがあることです。
服飾・建築・広告・キャラクターデザイン…など、ひとくちにデザインと言っても多種多様。
専門学校によっては講師の数が少なく、専門分野外の授業を受け持つ講師もいます。
そのため、実際に授業を受けてみると不安があった・結局独習が必要になったという失敗談も少なくありません。
デザイン専門学校を選ぶ際は、「自分がどの分野を学びたいのか」「どの分野に強い学校なのか」を徹底分析するのがベストです。
ここまでのことをまとめると、自力で学習計画を立てられる・目標もはっきりとしていて学習意欲の高いかたに、専門学校はおすすめできると言えます・
国内トップクラスのおすすめ専門学校
ここから先は、「美術界の東大」とも言われている多摩美術大学・武蔵野美術大学にひけをとらない、有名デザイン専門学校の紹介をします。
桑沢デザイン研究所
ドイツの名門美術学校にインスピレーションを受けた、日本で最も歴史のあるデザイン専門学校です。
学科・授業内容のボリュームは美術大学に匹敵し、2年または3年コースでアートの総合力を磨こうというのが、この学校の特長。
専門学校としては珍しく入学試験もありますが、過去問の公開が充実しており、倍率も毎年1~1.1倍程度と、敷居は低めになっています。
試験そのものの成績よりも、やる気・入学後に実績を出せる人物かどうかを重視するのが、この学校の特色です。
気になる学費ですが、授業料+各種教材費を合計すると、3年コースで最大200万円程度となります。
こうした金銭的な部分に関しては、公式ウェブサイト・資料などで明瞭な説明を行っているので安心。
在学中のメンタルヘルスやPCスキルの悩みに関しても、サポート体制が万全に整っているのもこの学校の特長です。
学生のモチベーションの向上や維持に関しては尽力している姿勢がうかがえます。
卒業後の進路については詳しく解説をしており、講師も各種企業と太いパイプを持っているのが特徴。
「青田刈り」が行われるケースもあり、キャリアを強く意識しているかたにはメリットがあります。
総じて、アートに関してしっかりと見識を深めたいかたにもおすすめできる他、将来的には自分でデザインに関するお仕事を企画したい…という学生にも人気のある学校です。
パソコン初心者から通える専門学校
デザインはもとより、パソコンなどの基礎知識も足りない…基礎の基礎から勉強したいという方は、学校選びには慎重になるべきです。
漠然と「デザイン系のスキルを身につけたい」と考えているかたに人気の学校をお伝えします。
ヒューマンアカデミー
デザイン・声優・コミックイラスト専科など、アートワークに関するあらゆる知識を学べる学校です。
サブカルチャー系のデザイナー志望のかたに人気で、在籍講師にも元漫画家・ゲームグラフィッカーなどが多いのが特徴。
ヒューマンアカデミーは「特化型」の学校と言えます。
進路に関してかなり具体的な方針が固まっている人を、短期間で成長させるのを目標としています。
学校卒業後の就職・資格取得実績が極めて高く、公開している点については高く評価できます。
しかし、本当のメリットは以下の通りになります。
第一に、美術大学への編入制度があること。
2年次に一定の成績を収めていれば、進学したい大学の単位を認定・編入を推薦してくれます。
学習しているうちに学びたい事が変わった・大卒の資格を得たくなったなど、心境や経済状況の変化に柔軟なのがうれしいポイント。
そのほか、ヒューマンアカデミーならではの「教育ローン」を使えるのもメリットです。
経済的事情からやりたいことをあきらめてしまった人も、低金利のローンで就職につながるスキルを身につけられるのは、大きなアドバンテージ。
また、最初に言及した「基礎知識」という点についても、ヒューマンアカデミーでは徹底して講義を行います。
希望する学生にはオフィスソフトの初級~中級レベルの講義・CADやイラストレーションソフトの基本操作をみっちりと教えてくれるのが、好評の理由となっています。
コンピュータや画材の基本的な扱いから学びたい・在学中に目標が変わるかもしれないというかたには、おすすめできる学校です。
まとめ
学歴重視で予算が潤沢にあれば美術大学・キャリア重視で短期集中学習をしたいのであれば専門学校…というように選ぶのがポイントです。
ここでは名門デザイン専門学校を2校挙げましたが、いずれも在校生の将来をしっかりと考えてくれる学校です。
いよいよ人生の新しい進路を決めようというかたは、まずはモチベーション・目標をしっかりと見定めて、それにあった学校を選ぶのがコツです。