安く液晶ペンタブレットを使いたい!そんな人へのご提案
デジタル環境で描画したいかたにとっては、液晶ペンタブレットは究極の憧れと言えます。
しかし、本文中でも記載しますが、これを中心とした環境づくりには一定の費用や時間がかかってしまうというもの。
その問題提起や格安液晶ペンタブレットの紹介、自作などにより安上がりに済ませる方法から、クリエイターに注目を浴びている代替製品の紹介まで行っていきます。
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目次
ワコム製Cintiqの値段から考える
デジタル描画にある程度慣れてきたかたや、板タブレットの感触がどうしても馴染めないかたにとっては、液晶ペンタブレットに目移りするのも必然と言えるでしょう。
ところが、ワコム製液晶ペンタブレットで最安値となっているCintiq 13HD (DTK-1301/K0)でも、10万円は下らないお値段となっています。
これにペイントソフト代やパソコンのカスタマイズ代などを含めて考えると、液晶タブレットを中心としたデジタル描画環境には膨大な費用がかかります。
その分、描画を頻繁に行う人にはメリットがありますが、環境を整えてもご自分に合うかどうか・まとまったお金を用意してみたところで…という不安を抱えるかたも少なくないと思います。
以下に、いろいろな問題の定義や提案をしていきたいと思います。
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PCから準備しなければならない人へ
パソコンから準備しなければならない…ともなると、余分に費用がかさみます。
現在PCを持っているかたも、ペイントソフトのためにグラフィックカードの増設や、本体買い替えなどを検討しなければならない場合もあります。
この場合、安価で済ませるというのは極めて難しい考えになります。
考えられることとしては、
・OS搭載モデルの製品の購入
・いっそ液晶ペンタブレットではなく、タブレットPCの購入に方向転換してみる
このいったことでしょう。
前者の場合はPCまるごと購入するくらいの費用を覚悟しなければなりませんが、後者であれば、後述もしますが製品によっては10万円以下で収まってしまうことも。
お使いのPCデスク周りの環境次第では、パソコンとデジタル描画環境を完全に切り離してしまった方がよい場合もあります。
激安ペンタブレットとは?
ペンタブレットと言えば、有名なメーカー・ワコムですが、前述のように液晶タブレットのシリーズともなると10万円は下りません。
そこで、アジア各メーカーから出ている安価なタブレットを試してみるのもいいでしょう。
通販サイトなどでレビューの良い、いくつかの商品を紹介してみます。
XP – Pen Artist 22HD
Amazonで8万円程度の製品です。
アジア系メーカーの製品のなかでは最もワコム製タブレットに使用感が近く、画面範囲や筆圧感知などにも問題はありません。
デメリットとしては、描画時の遅延や視差がやはりワコム製タブレットに劣ること・日本語の説明書が付属していないため機械に苦手な人は苦労することでしょう。
手始めに液晶タブレットを使ってみたい人におすすめの一品です。
Ugee UG-2150
こちらは上記よりもお安く、Amazonで6万円前後で推移しています。
描画遅延・筆圧感知・ディスプレイの美しさに関してはワコム製品に勝るとの声もあり、極めて有力な購入候補に入るでしょう。
デメリットとしては、やはり海外製品なのでサポート面に不安があること。
付属品ドライバーがパソコンに対応していないため、公式(英語)サイトからダウンロードを試みたというユーザーも多く、こちらもある程度の機械慣れや知識が必要そうです。
中古で購入するという手段も
ペンタブレットも世代交代などが進んでおり、一世代以上前の本体を中古で探すのは難しいことではありません。
新品の半値程度のお値段、あるいはそれ以下で買えることも少なくなく、デジタル描画環境を試してみたい人の一策でもあるでしょう。
ただし、買い替えは当分予定せず、末永く使っていきたい人には、注意点があります。
出来るだけ実店舗で探す
オークションサイトなどで探せば「より安く」手に入れることができますが、肝心の製品の消耗状態などを目視で確認することが出来ません。
出品者がスペックの記載間違いをしていることもあり、実際に届いてみると全く使えないことも。
自分のPCスペックを確認する
ペンタブレットごとに、対応するOSやパソコンスペックが異なります。
実店舗で探す場合は特に、ご自身の使用環境はしっかりと把握していきましょう。
製品を選ぶ際に
最低でも下記のことは確認しておきましょう。
・ペンタブレット表面の磨耗状態
・使用年数
・付属品が揃っているか/欠品があるか
タブレット表面の磨耗状態は元には戻せないので、その状態で使っていくことになります。
中古品としての状態をよく吟味することが、長く使用する上での重要なポイントでしょう。
また、液晶ペンタブレットに限らず、ほとんどの中古品には、ペイントソフトのシリアルコードなどは付属していません。
別途ご自身で用意する必要があります。
この点にも注意しておきましょう。
ペンタブレットレンタルサービス
アナログから移行するかた、デジタル環境に触れるのがはじめての方にとっては、まとまったお金で急に準備しても使いこなせるか心配というもの。
2016年11月現在で、そんなかたのために、ワコム公式サイト上にて一定期間ごとの無料レンタルサービスが実施されています。
難点としては、・抽選制であること・貸出台数が少ない(ワコム各モデル3~5台なので、当選確率が低い)ことにあります。
つまり、このレンタルサービスについては、あくまでもメーカーからのプロモーションと考えるべきでしょう。
他にも、楽天ストアなどで個人・法人でレンタルサービスを実施している場合があります。
ただし多くの場合、短期間レンタルを想定しており、レンタル価格も高価。
すでにデジタル環境のある人で、急なトラブルに見舞われて業務等に差し支えが出ている…などといった人向けでしょう。
とはいえ、やはりデジタル環境…なかでも液晶ペンタブレットは、向き不向きがあります。
本格的に環境を整えることを思えばまだまだ安価なので、こういったもので一度試してみるのが良策ともいえるでしょう。
液タブ自作も出来る…!?
有名な液晶タブレットモデルの名前を借りて、Cintiq DIYなどと呼ばれている「液晶タブレットを自作する」という手段。
動画などでも多くの手段が提案されており、DIYそのものに不安があるかたでも挑戦することができます。
必要なものは一般的に、板タブレット本体・液晶ディスプレイ作成キット。
その他特別な工具は必要とする手法は、ほとんどありません。
液晶ディスプレイを作成するキットは、国内であればシャープ・海外各社から販売されており、電子工具販売店などで探すことも難しくありません。
難しいのが、板タブレットにぴったりと合う液晶部の購入・装着法であり、液晶とタブレット本体の制御ユニットの位置調整やノイズ防止のためにどのように部品を配置するのか…という点でユーザーは頭を悩ませるようです。
また、当然ですが、板タブレットを分解した場合はメーカー保証の対象外となります。
描画部分の磨耗等は気にしなくてもよくなるので、板タブレット自体は中古で探してみることをおすすめします。
デスク周りの環境も重要
液晶タブレットのを手に入れたら、パソコンの前に設置するのはもちろん、描画に使う他のデジタルデバイスや描画用資料も一緒にデスク上に置くことになります。
そうなると、「PCデスクにどれだけの広さ・ゆとりを持たせられるか」も一考しなければなりません。
提案としては、
・ディスプレイアームの利用…ディスプレイ設置に使っていた分のスペースが空く
・キャビネットを用意して、デスク上に置かれている描画に不要なものを収納していく
様々ありますが、いずれにしてもデスク上に一定の広さを確保しておくための収納術・整理術も併せて考えなければならないのは必須と言えるでしょう。
iPad Proの実力
タブレット端末がパソコンにとってかわりそうな勢いで勢力を広げるなか、クリエイターに注目を浴びているのが「iPad Pro」です。
タブレット端末としての有用性はもちろん保証されていますし、Apple Pencilを使用した時の描画性能については、国内によく流通しているワコム製ペンタブレットなどをも凌駕するのではないか、と言われています。
本体も薄く軽いので取り回しがしやすく、作業スペースが手狭な人にもおすすめ問題の価格は、公式ストアで9.7インチサイズが62800円(税別)~、12.9インチサイズが82800円(税別)~、Apple Pencilが10000円(税抜)となっています。
ペイント専用アプリケーションもApp Storeで多く配布されており、WinやMac対応のものに比べれば安価な傾向にあるため、安く済ませたいならば、10万円以下ですぐにデジタル環境が手に入ります。
気になるApple Pencilの描画性能ですが、筆圧感知・遅延速度に関しては描画に特化しか液晶タブレットとほぼ同等。
視差に至っては、液晶タブレットと呼ばれるあらゆる商品を抑えて断トツに少なく、ペンタブレット特有の「紙から浮いているような書き心地」が低減されています。
気軽かつ簡単にデジタル制作環境を試してみたい方、タブレット端末の購入と合わせてお考えのかたにはおすすめの逸品。
まとめ
安上がりに済ませて、デジタル描画初心者・すぐにはまとまった資金を用意できないかたでも、液晶ペンタブレットに触れてみることのできる方法をいくつか紹介しました。
製品は日々世代交代しており、これから廉価化が進んでいくことも十分に考えられますが、やはりまだまだ入手しにくい状況にあるのは間違いないことです。
また、液晶ペンタブレットという性質を利用するのに、必ずメーカーからの提案を受け入れるという必要もいまや必須ではありません。
皆さんのよいクリエイターライフをお祈りしています。