イラスト通信講座を受講中の方へ…技術別・合わせて使いたい良書/サービスのご紹介

専門学校で学ぶ

目をひくイラストを描くためには、デッサン力・パースの知識・色彩センス・他人と差のつくインスピレーションが必要です。

これらの力をより高めようとすると、通信講座だけではカバーしきれないことも。

紙媒体の専門書を準備したり、アイデアの源となる情報に触れることも時として必要になります。

上記4つの力ごとに、良書・サービスの紹介を行いたいと思います。

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人体をしっかり描きたい人へ

リアルな人体を描くには、美術解剖学の理解が必要だと言われています。

通信講座においては、ツイッターで評判の「パルミー」が極めて優秀ですが、その講師も参考にしているという本をご紹介します。

『スカルプターのための美術解剖図』1&2巻

プロのアニメーター・CGデザイナーや、VR作品のモデラーにも根強い支持を得ている良書。

口コミで広まり、プロ〜準プロのイラストレーターや漫画家の間でも、ベストセラーになっています。

従来の美術解剖図は、実際の作画例を中心に紹介するため「著者の作風に影響される」のが常でしたが…この本では、特定の作風に偏らないという信念をもとに、キャラクターイラスト・モデリングに必要なエッセンスを絞り込んでいます。

人体の部位ごとの性差・年齢による変化はもちろんのこと、顔の細部の表情筋に至るまで解説がこまやか。

ハイレベルな美術大学で実際に講義している内容に踏み込んでおり、2巻セットで1万円前後と、専門書としてはお買い得。

先述で触れたパルミーの「キャラクターイラストのための人体デッサン」と合わせて教書とすることで、動的・静的両方の人体をリアルに描けるようになります。

アダルトな画風を目指すかた・リアルにキャラクターを描きたいかたは、是非手にとってみてください。

紹介した講座と本のセットで、25000円の予算となります。

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背景の作画技術を磨きたい人へ

背景の作画技術ですが、デジタル作画をする場合は「パース定規」が便利でしょう。

しかし、印象にイラストを描くためには、「技術を理解した上であえて崩す」という技能が必要になります。

とはいえ、あまり身構える必要もありません。

パースだけを講義している有料通信講座は希少で、Pixivで公開されているお絵かき講座・YouTubeなどで十分補えます。

その上でしっかりと理解したいかたへ、評価の高い教書をご紹介します。

『風景デッサンの基本』ナツメ社

スーパーリアルを目指すのではなく、フリーハンドで自然に馴染む背景の描き方を、具体的に提示している一冊。

手癖でさくさくと背景イラストを描くコツを提示している一方で、静物デッサンの重要性も説いています。

写真資料・パース定規に親しみすぎて、基本的なことを忘れてしまった…というかたに特におすすめ。

着彩についてはほとんど解説されていないのが残念ポイントですが、動画で閲覧できるパース講座と合わせて読めば、心強い味方になってくれるでしょう。

『建物・街角の風景パース』マシュー・ブレーム

こちらは前項紹介の本とは打ってかわり、カチッとしたパースの理論を解説している一冊です。

無料で閲覧できるパース通信講座の内容は、この本一冊でほぼカバーできるでしょう。

パース理論の基礎〜応用はもちろんのこと、実際の作例も分かりやすく提示しており、理論と実践のバランスが非常にいいのが特徴。

価格も2000円とお安いので、有料のパース通信講座を受講する前に、一度手にとってみるのをおすすめします。

色彩センスを磨きたい人へ

イラストレーターが1番悩むのが、色彩センス。

鉛筆・ボールペンでしか絵を書いたことがない…というかたが1番苦しむ部分でもあります。

デジタルであれば「グリザイユ技法」という簡単な着彩法が広められていますが、それでも基本的なことは学んでおきたいものです。

本格的なことは大学・専門学校でしか学べないというのが一般的なイメージですが、理論をきちんと学ぶ方法が存在します。

色彩検定協会のすすめ

色彩学の教本は存在するものの、しっかりと身につけたい人には、どれも物足りません。

そこでおすすめしたいのが、文科省が認定している「色彩検定協会」の通信講座…そして、ここでしか入手できないテキストです。

イラストに活かせるだけでなく、デザイン・アパレル業界の職業技術として学ぶことが出来るのが特徴。

定期的に実施される検定に合格すれば、資格のひとつとして履歴書に記載することも可能。

ここで学ぶ色彩学は、アナログからデジタルへと作画方法を乗り換える人に、強くおすすめします。

デジタル作画の魅力は、着彩の自由度が無限大だということにありますが…それゆえに、理論が固まっていないと「惹かれない」絵になってしまいがち。

こと「厚塗り」とよばれる系統には、高いレベルの色彩理論が必要だと言われています。

ここでひとつ投資をして、基礎を身につけるのがベストでしょう。

項の冒頭で述べた「モノクロ画しか書いたことがない」人におすすめなのは、「通信講座で色彩を学ぶ→デジタルでカラーイラストを描いてみる」という手順です。

アナログをおすすめしない理由は、画材特有のムラが着彩をごまかしてしまうため。

彩度・明度に対する理解や、自分の画風を把握するためにも、デジタル作画にチャレンジしてみてください。

講座・専門書でも物足りない人へ

創作に重要なのは、アウトプットよりもインプットだと言われています。

通信講座と本だけだと、クリエイティブな発想にはなかなか至りません。

オリジナルイラストが描けなくなる、いわゆる「スランプ」という状態に陥ることもあります。

普段からアンテナを広げておくと良いそうですが、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

プロのイラストレーター・漫画家の部屋の紹介を見ると、ファッション誌や絵画集が沢山あります。

インスピレーションを得るのには必要不可欠なものですが、かさばる・保存や管理に困るという難点も。

そんな時におすすめなのが、雑誌読み放題のサービスです。

代表的なものに、

  • dマガジン
  • Kindleアンリミテッド
  • 楽天マガジン

などがありますが、評価が高いのはdマガジン。

コンビニで開くには抵抗のあるグラビア雑誌が豊富で、キャラクターイラストを魅力的に描きたい人にはおすすめです。

ただし、一部雑誌は肖像権によりグレー塗り加工があるため、ちょっと物足りない感も。

勉強と合わせて発想の開花に使えるものとして、映画を沢山見ることもおすすめできます。

タブレットやパソコンから視聴できる見放題サービスだと、キャプチャを取ってイラストの土台にすることもできるでしょう。

他には、ツイッターやインスタグラムなどで、描きたい題材の画像を探すのも1つの手でしょう。

好きな画風のイラストレーター・漫画家の発信する情報のなかには、「影響をうけた作品」もあるので、そういったものをチェックすることも大切です。

また、気をつけたいこととして、インプットした情報の整理をしておきましょう。

具体的には、雑誌や映画のキャプチャーを分類して、クラウドなどに保存しておくのがベスト。

欲しい発想をいつでも取り出せるようにするのがポイントです。

まとめ

イラスト・美術に関する通信講座は、ある種の投資であって、どうしても「それ一筋」になってしまいがちです。

講座の期間が終了してしまえば、見返せる資料がなくなって困る…ということも。

楽しく・上達しながら描き続けるには、サポートしてくれる資料が必要です。

是非この記事を参考に、素敵なイラストを描くための良い出会いを見つけてください。






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