FPSが高くても意味なし?ゲームに最適な環境を液晶モニタから探ってみよう
パソコンでゲームを遊ぶときに気になるのがそのスペックです。
遊びたいゲームのスペックを満たすことができればぬるぬる動きますが、満たせないとカクカクとしたものになってしまいます。
そこでグラフィックボードやCPU、メモリの量などに気をつけることになるのですが、それだけではゲームを最高の環境で遊べるわけではないのです。
今回は意外な盲点にもなりうる液晶モニタについてじっくりとみていきましょう。
ゲームがぬるぬる動くように見える理由
まずはゲームがどうやってぬるぬる動くように見えるのかという点からおさらいしておきましょう。
ゲームというのは一種のプログラムです。
プログラムという側面から見るとゲームは特殊な形をしているといえるでしょう。
ゲームプログラムは通常、秒間当たり設定されている回数分ループしています。
1秒間に数十回から数百回の更新がされているのです。
これは他のプログラムにはない作りといえるでしょう。
そして、秒間あたりたくさん更新されるからこそ、リアルタイムで入力が反映されたり描画も更新されたりするのです。
例えば格闘ゲームの場合、ボタンを押したら即座に操作キャラクターは攻撃モーションへ移ります。
これも常にプログラムを高速にループさせているからこそできる芸当なのです。
またスペックが足りないパソコンというのは「そのゲームプログラムのループ回数を維持できるほど計算力が足りない」事を示しています。
本来であれば秒間あたり規定の回数をループさせなければならないゲームプログラムが実行できないわけですから、自ずと動きはスローなものになってしまうのです。
それからゲームシステムだけが正常にループでき、描画が遅い場合はコマ送りのような形になったりもします。
FPSという概念
こうした「秒間あたりのループ回数」のことを「FPS(Frame Per Second:1秒あたりのフレーム数)」といいます。
フレーム数というのはゲーム1回あたりのループ数を示す言葉です。
そして一般的に目安となっているFPSは「30FPS」と「60FPS」となります。
30FPSだとややざらざらした質感ではあるものの十分にゲームをプレイすることができ、60FPSだと満足して遊ぶことができるでしょう。
なお30FPSの意味は「秒間あたり30回ゲームプログラムをループさせている」という意味で、60FPSも「秒間あたり60回ゲームプログラムをループさせている」という意味になります。
ちなみに中には60FPS以上の作品も多数存在している形です。
ゲームにおいてこのFPSを確保するということは非常に重要で、特にネットワーク対戦型のゲームの場合は勝敗に直結する要素といえるでしょう。
1人称での撃ち合いをするゲームの場合はカクカクしていたら銃口のエイムを合わせることは難しくなりますし、格闘ゲームでも知らない間に攻撃を受けてしまいます。
またネットワーク対戦型のゲームとなるとスペックだけでなく回線の速度も問題になってくる点にも注意しておきましょう。
もし十分なスペックのマシンを用意できれば1人用のゲームは満足して楽しめますし、回線速度も高速ならオンラインゲームも不便なくプレイできるでしょう。
ただFPSが十分に確保できているからといって、その通り表示されているとは限りません。
実は液晶モニタがネックになっている可能性もあったりするのです。
液晶モニタが果たす役割
ゲームをプレイしていてFPSが100を超えているのにどうも若干カクつきを感じるということがあるかもしれません。
キャラクターの視線を急に動かすと激しく画面がぶれるような感覚に陥るでしょう。
これは恐らくFPSに画面表示が追いついていないからです。
液晶モニタにはそれぞれ「Hz」という単位で性能の指標を測ることができます。
これは先述しているFPSの液晶モニタ版のようなもので「1秒間に何回画面を書き換えられるか」ということを示しているのです。
言い換えれば「60Hz」なら「60FPS」まで表現することができ「144Hz」なら「144FPS」まで対応できるということになります。
例えばゲーム側が100FPSのとき、60Hzの液晶モニタを使用しているとしましょう。
このとき、いくらゲームのFPSが高いとしても画面は秒間60回しか更新することができません。
ということはつまり、60Hzのモニタを使用している限り100FPSでも1000FPSでもプレイヤーが目にするのは60FPSの世界でしかないのです。
液晶モニタの性能はゲームの環境を整えるとき、このように思わぬ盲点として浮上してきます。
折角高級なパーツで組んだパソコンなのに今一描画が滑らかに感じられないのならもしかしたら液晶モニタがネックとなっているのかもしれません。
少なくとも100FPSを超えるときに滑らかな印象を受けないのであれば、液晶モニタの性能をチェックすることをおすすめします。
ゲーミングモニターという製品
一般的な液晶モニタはほとんど60FPSのものとなっています。
実際にそれで不便なことにはなりませんし多くのゲームも60FPS以上を必要とはしていません。
これまではそれで十分だったのです。
ですがハイスピードなレースゲームやスポーツゲーム、1人称視点の対戦型シューティングゲームとなると話は異なります。
急な動きをする際には60FPSでは画面が確かにガクついたりブレたりしますし、残像のような形で動きが残るものです。
高速な動作を描くゲームを快適にプレイするには60FPSでは足りないといえるでしょう。
そんな状況で登場したのが「ゲーミングモニター」という液晶モニタの分野です。
ゲーミングモニターは一般のモニターと異なりHzが高く、144Hzのものも存在しています。
そのためFPSが144までなら画面上にしっかりと再現してくれるのです。
応答速度に注意
60Hz以上の液晶モニタは確かにFPS通りの世界を映し出してくれるのですが、中には「応答速度」が十分でないものもあるかもしれません。
製品によって更新に反応する秒数が異なり、この数値が大きいと表示が遅れてしまう可能性もあります。
応答速度の単位はミリ秒のmsで表現されている形で、低ければ低いほど良いと考えておいて大丈夫です。
gray to grayをチェック
また応答速度は「白・黒・白」の順番に切り替わった秒数を計測しているのですが、液晶モニタはこの白黒の切り替わりを最も得意としています。
ですがゲーム中では様々な色や中間色も多用されており、むしろそちらがメインといえるでしょう。
そのため中間色の応答速度を示す「gray to gray」という表記についても注意しておくことをおすすめします。
なおこちらも数値が低いほど良い性能を示す形です。
なるべく性能の良いものを選ぼう
液晶モニタはプレイヤーの目に触れる場所であり、最終的にパソコンが表現したいものが映し出される場所でもあります。
価格的にはピンキリですが許容できる範囲で性能の良いものを選ぶと良いでしょう。
場合によってはパソコンを買い換えた後にも使い続けることになる可能性もあるのでむしろより注意して選ぶべき周辺機器なのかもしれません。
家電量販店で確認するのも良い方法
実は家電量販店のモニター売り場ではゲーミングモニターの展示を行っていたりします。
そこで実際に144Hzのモニターを見てみるとその凄さを実感することができるでしょう。
特に高いFPSの感じ方となると個人差も出てくるので実際に製品の性能について感じることは大切です。
まとめ
液晶モニタの性能についてみてきました。
パソコンのパーツに注目することも重要ですが、最終的なアウトプットをするのは液晶モニタです。
長い付き合いになる周辺機器になる可能性もあるのでできるだけ良いものを手に入れておくと良いでしょう。
特に応答速度の良い144Hzのゲーミングモニターは快適なゲーム環境をもたらしてくれるはずです。
ブレの無いスムーズな描画はこれまでのゲーム環境を一新することになるかもしれません。
意外と見逃しがちな液晶モニタについて是非チェックしてみて下さい。